移植後に歯科受診が必要になることもあるかとは思いますが、免疫抑制剤を含む複数の薬剤を服用中の方は、抜歯や歯科で処方される薬剤を服用する際には、注意が必要です。

抜歯の際の注意

・抗凝固剤を服用している場合
抗凝固剤(血液を固まりにくくする薬)を服用している場合は抜糸の前に服用を中止することが原則ですが、中止できない場合は入院してヘパリンに切り替えての処置となります。

・抜歯後の痛み止め薬を服用する場合
COX2(コックス2)といわれる薬剤が比較的腎障害が少ないといわれています。服用する場合は通常の投与量となると思われます。

・抜歯後に抗生剤を服用する場合
抗生剤の服用に関しては、免疫抑制剤との相互作用がない薬剤、腎障害の少ない薬剤を選択する必要があります。
特にマクロライド系の抗生剤は注意が必要です。タクロリムス(プログラフ、グラセプター)やシクロスポリン(ネオーラル)の血中濃度を上昇させる場合がありますので、移植専門医や主治医に相談してください。

いずれの場合も、必ず移植専門医、薬剤師に確認の上、服用してください。

日常の注意

感染防止や、虫歯予防のためにも、口腔内はなるべく清潔に保つようにしましょう。特に舌苔はとるようにしましょう。

歯科で処方される薬に関して

歯科で処方された薬に関しては、移植専門医、主治医に服用の確認をするようにしましょう。
特に注意しなければならない薬剤は、マクロライド系の抗生物質、COX1(コックス1)の鎮痛剤です。

その他

歯科医師に腎移植をして免疫抑制剤を服用中であることをしっかりと伝えましょう。
ただし、しばしば移植をしていると治療を断られることもあるようです。

メディプレスの情報はあくまでも執筆時点での情報をもとにした専門医の一般的な意見としての参考情報です。それぞれの患者さんの状態や体調によって対応は大きく変わってきますのでご注意ください。ご自身の状況については、主治医や専門医の指示に従ってください。