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市丸 直嗣先生 コラム

2010年以降、脳死移植件数は増えていますが、献腎移植件数の中の脳死移植の比率が高まっているだけで、ここ10年、全体の献腎移植件数は増加していません。依然として献腎移植は移植を待っている方にとって大変貴重な機会となっています。
献腎移植希望の登録後は、突然の病院からの連絡に備え、日ごろから心と体の準備をしておく必要があります。献腎移植待機者向けの登録更新外来の重要性やその内容について、大阪大学 先端移植基盤医療学 准教授の市丸直嗣先生にご解説いただきます。


献腎移植待機者向け登録更新外来について
-臓器提供の貴重な申し出をいつでも活かせるように万全な準備を日頃からしておくための毎年の外来受診-


献腎移植登録の流れ

腎移植には、亡くなった方から腎臓を提供していただく献腎移植(死体腎移植)と生きている親族から腎臓をいただく生体腎移植があります。献腎移植の場合は日本臓器移植ネットワークを通して、腎臓が斡旋されます。
献腎移植を希望する慢性腎不全患者さんは、腎臓移植施設を受診します。移植医療の説明や術前評価を受けた後に、日本臓器移植ネットワークに移植希望登録をします。腎臓移植施設の資格基準の1つとして、自施設での移植希望登録患者に対し年に1度以上の適切な評価を行うことが定められており、登録患者さんは登録更新のために毎年1回は移植施設を受診します。
日本の献腎移植数は年間150例程度で、移植を受けた患者さんの平均待機期間は約15年です。
献腎移植を希望して12,000人以上の患者さんが日本臓器移植ネットワークに登録していますが、実際に移植を受けられる患者さんは毎年約1~2%で、多くの患者さんは腎臓移植施設での登録更新の外来受診が年1回は必要です。


検査表


献腎移植はいつ腎提供していただけるかわからないため、いつも緊急手術です。臓器提供が決まってから十分な術前検査をする時間はありません。
慢性腎不全で透析中の患者さんは、感染症・悪性腫瘍・心血管障害などの合併症を多くの方がもっています。献腎移植手術のために、十分な全身評価のための登録更新外来受診が毎年必要です。
種々の一般血液検査、感染症、心電図や心超音波、胸腹部レントゲン、胃カメラ、腹部超音波、便潜血、女性は乳がんと子宮がんスクリーニングを定期的に行います。透析施設での検査結果を持参していただく場合や、移植施設で検査する場合があります。
また提供していただいた腎臓と献腎移植候補者の組織適合性を調べるクロスマッチ検査がいつでも迅速にできるように、血清を毎年交換し保存します。
臓器提供の貴重な申し出をいつでも活かせるように万全な準備を日頃からしておくのが、毎年の献腎移植登録更新外来です。案内書類が例年1~3月頃に届きますので、毎年必ず受診してください。


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