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ドクターインタビュー

愛知医科大学病院の特徴

----愛知医科大学病院の腎移植施設としての特徴はどのようなものがありますでしょうか?

当院の特徴は、移植手術後のフォローアップ体制の充実です。具体的には、生活習慣病予防のための運動療法と食事指導の取組みを積極的に行っていることがあげられると思います。
運動療法は、病院内にジムが併設されており、トレーナーが移植後の体力向上や体調管理のための指導を行っています。週2日ジムに通い、医療者の管理のもと運動に取り組むことが出来ます。
また食事指導は、患者さんに携帯電話のカメラなどで撮った毎日の食事内容の画像をメールで送っていただき、来院時に栄養指導を行うプログラムも開始しました。
どちらの取り組みもまだ始まったばかりですが、これから本格的に取り組んでいくつもりです。

愛知医科大学 運動療育センター 案内 患者さんからの1日の食事内容の画像

----そのような取組みを始められたのには、どのような目的があるのでしょうか?

ここ10年の腎移植治療はそれ以前と大きく異なり、血液型が異なった(ABO不適合)提供者や65歳以上で手術を受ける患者さんが増え、移植の適応範囲も広がりました。 それにも拘わらず、10年の移植腎生着率は90%を超えるなど、短期の成績はドンドン良くなっています。 これからの時代は腎移植の良し悪しを5年や10年の移植腎生着率で評価するのではなく、患者さんがいかに高いQOL(生活の質)を獲得できているのか、どうやったら手術後10年、20年と長期にわたり元気な体で生活できるのか、ということを念頭に置いた戦略治療が必要な時代に入りました。
それには、移植腎を拒絶反応から守るだけでなく、余病をつくらないこと、特に生活習慣病(脳卒中、心筋梗塞などの心血管系合併症や糖尿病など)の対策が大切となります。 術後の腎移植外来は、生活習慣病の予防外来と言っても言い過ぎではありません。 どのようにしたらバランスの良い食事を摂れるのか、どのようにしたら定期的な運動ができ良好な体型を維持できるのか・・・等、 生活習慣の改善への介入こそが最終的に移植腎を永く持たせ、患者さんのQOLを向上させるための非常に重要なキーとなります。 治療は“病院での検査や処方が行われる通院日”だけではなく“毎日の生活の積み重ね”であることを患者さんに再度理解していただき、患者さん自らが、”日々の治療に参加“していただかなくてはなりません。 しかし、これは、“言うは易し、行うは難し”、・・・大きな課題です。私たちは横断的な腎移植診療チーム体制をつくり、医師とコメディカル・スタッフが異なった視点から積極的な介入を行い、患者さん自ら日々の治療に参加していただけるようにお手伝いをしています。



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