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  • 東京女子医科大学病院 移植者の会(あけぼの会) インタビュー

    東京女子医科大学病院 移植者の会(あけぼの会) インタビュー

移植者の方々が中心となって集まり、移植関連の勉強会や情報交換を行う「患者会」。全国にたくさんの患者会がありますが、実際にどのような人達が参加し、どのような活動を行っているのかについて、ご興味をお持ちの方も多いと思います。
今回は、会員数が650人を超える移植患者会である「東京女子医大 移植者の会(通称、あけぼの会)」より、役員の小柳啓一さん(会長)・石丸君子さん(副会長)・大沼聡さん(事務局長)にお話をお聞きしました。


3人の紹介




■あけぼの会の成り立ち

― まず始めに、皆さんの自己紹介と、あけぼの会との関わりについて教えていただけますか。

小柳さん:
私が移植をした18年前は、東京女子医科大学病院(以下、東京女子医大)には「東京キッド」という会員数700名の大きな腎移植者の会がありました。しかし、そこが休会中だったので、小さな患者会が新たにポツポツとでき始めているような状態で、私はその中のひとつである「そらまめの会」という患者会に入り活動をしていました。そんな中、1999年に東京女子医大の方から、「東京キッドを復活させてほしい」というお話があったので、「そらまめの会」を発展的に解消し、新たに「あけぼの会」をつくり、その立ち上げに参加させていただきました。そして多くの先生方、医療スタッフ、会員のみなさまのご協力・ご支援をいただいて、あけぼの会は昨年(2014年)には創立15周年を迎えることができました。


15周年記念パーティー


石丸さん:
私は「そらまめの会」の前会長と、移植日が3日くらいしか変わらず移植仲間だったのです。最初は2〜3人の移植者が集まり、それがだんだん10人、20人と増えていき、「会をつくろう!」という話になって「そらまめの会」を設立しました。その後、「あけぼの会」設立にも関わらせていただきました。

大沼さん:
私も、小柳さん、石丸さんと同じく、「そらまめの会」から「あけぼの会」の立ち上げに加わりました。ですから、「あけぼの会」に関しては、ここにいる3名ともが設立から関わっていることになります。

― そうだったのですね。あけぼの会は、どのような目的で設立されたのですか。

小柳さん:
設立当時は、移植に関する情報が少なく、困っている方が多くおられました。また、移植後の方が今後どのように自己管理をしていけばいいのか、という情報もありませんでしたので、そのような情報をできるだけ多く、皆さんに発信していく場を設けたい、という思いがありました。また、患者同士が親睦を図って一緒に長期生着を目指していきましょう、ということも最初の目的だったと思います。

― 当時は情報がない中で、皆さんどのように情報を得ていたのですか。

小柳さん:
外来診察を待っている際の患者同士の会話から情報を得るだけでしたね。外来が同じ日の患者さんと仲良くなって、「私はこのような手術をしたのだけれど、このようなことを言われたわ。」というような情報が、口伝えにどんどん広がっていくという感じでした。ですので、それを皆さんに分かりやすく伝えようと、勉強会の開催が始まったのです。


■活動内容

― あけぼの会といえば、イベントが非常に充実しているという印象があるのですが、年間で何回くらい開催されているのですか。

小柳さん:
勉強会を年に7~8回、懇親イベントを 3~4回やっています。懇親会は、新年会・お花見・親睦旅行・BBQ大会などです。
あけぼの会ホームページの左メニューより「イベント情報」をご確認ください。


勉強会一覧


花見、新年会


― 勉強会は、誰でも参加できるオープンなものと、会員限定のものがあるのですね。

移植勉強会

小柳さん:
はい、そうです。「移植塾」と「ミニ移植塾」のみ会員限定となっており、絞り込んだテーマ設定で開催しています。その他のものは、どなたでも参加できます。年に1回開催する移植勉強会が最大規模のイベントで、今年は5/23(土)に開催予定です。

2015年 移植勉強会(あけぼの会/東京)


石丸さん:
イベントの後には必ずアンケートを取るようにしているのですが、「今後、期待するイベントはどのようなものですか」という問いに対して、「勉強会をもっと増やしてほしい」という回答が多いですね。懇親会よりも勉強会の方が、人気があるのです(笑)。積極的に新しい情報を得ようとしている方が多いと感じますね。

小柳さん:
一般的に、「移植医療はいい」というような内容の勉強会は多いですが、「移植手術を受けてこのようなつらい思いをした」というような、少しネガティブなテーマを取り上げる勉強会も、進んで行うようにしています。移植直後~数年の方に対し、長期生着をしている移植者の方から、「移植後このくらいたったときに、こういう危機が訪れた」というような体験談をお話しいただき、その後先生方から、「そのような状態になっても、このような治療法がある」というようなお話をしていただき、皆さんに安心してもらっています。

石丸さん:
やはり皆さん、移植後もまだ不安を抱えているので、「ネガティブなことも事前に分かっていれば冷静に対処できる」ということで、このような勉強会を望まれる声は多いですね。

― 移植者以外を対象とした勉強会には、どのようなものがありますか。

石丸さん:
「ドナーセミナー」があります。「移植をしようかな」とお考えの方にご参加いただければ、移植の実態が良くわかると思いますので、ぜひご参加いただければと思います。実際、ドナーセミナーに参加された方からは、「このような話が聞けてよかった」「これで安心して手術を受けられる」というような感想もお聞きします。

小柳さん:
また、「待機者の為の移植塾」は、献腎移植を待っている方、これから生体腎移植を受けようとお考えの方を対象にしています。移植の基礎知識をお伝えするとともに、体験談の発表などを通じて、「移植手術は怖くなかった、痛くなかった」とか、「想像していたより費用もかからなかった」というような話をしていただいています。

大沼さん:
「待機者の為の移植塾」には、移植手術を受けるかどうか悩んでいる方の参加も多いですね。「移植を受けた方がいいのか、受けない方がいいのか」はもちろんですが、ある女子高生の患者さんのご両親は、「娘が今、移植を受けた方がいいのか、もう少し待った方がいいのか」と悩んでいたり、「親にあげたいのだけれど・・・」と悩んでいる方など、さまざまです。また、「血液型が違うから移植ができない」「医療費がすごくかかるから移植は無理」と思っているような人も、まだまだたくさんいらっしゃると思います。ですから、移植に対して何か悩みごとや疑問などがある方には、ぜひ参加していただき、いろいろな悩み、不安を解消していただければと思います。

― 関東以外に住んでいらっしゃる方が、勉強会の様子を観る方法はありますか。

大沼さん:
有料ですが、勉強会のDVDを販売しているので、そちらを観ていただくことができます。こちらは会員さんでなくても、ご連絡をいただければ販売することは可能です。

※勉強会のDVDに関しては、あけぼの会ホームページの左メニューの「勉強会DVD販売」をご確認ください。

― 会報の冊子も、毎回、「本当に充実しているな」と思って拝見しているのですが、作成にあたっての方針やこだわりなどはありますか。

会報

小柳さん:
現在季刊で年に4回発行していますが、必ず1回はカラー版で出すようにしています。会員さんが日本全国に散らばっているので、イベントに参加できない方も多いのですね。ですから、できるだけこの会報を充実させて、イベントに参加しなくても、参加したのと同じだけの知識を得られるような会報づくりを目指しています。


― 会報の編集などは、どのように行っているのですか。

大沼さん:
最近は、会員さんがボランティアで文字起こしのお手伝いをしてくださっていて、勉強会レポートの8~9割は会員さんによる原稿作成です。それを私たちが校正、編集しています。

小柳さん:
最初の頃は、会の運営もなかなか大変でしたが、現在は役員が9名おり、役割分担がうまくできているので、活動全般がとてもスムーズになりました。会員さんもお手伝いしてくださるので、皆で力を合わせて運営しています。


■会員について

― 現在、会員は何名くらいいらっしゃるのですか。

大沼さん:
650名程度(2015年4月時点)です。年齢構成は40~60代が多めですが、20代~80代まで幅広く在籍されていて、現役世代のほとんどの方は働いていらっしゃいます。北は北海道から、南は石垣島まで、日本全国に会員さんがおられますね。

― 会の雰囲気は、どのような感じですか。初めて参加される方も、スムーズに加われますか。

石丸さん:
そうですね、年齢はさまざまなのですが、みな同じく移植をしているというので、年配の方でも、若い方でも、比較的すぐにお友達になれると思います。

小柳さん:
それと、先ほども少し申し上げたのですが、勉強会にもいくつか種類があって、例えば「ミニ移植塾」というのはテーマを掘り下げています。ですから、「高齢者向けの勉強会」や「女性のための勉強会」など、テーマによって集まる方も異なります。ご自身が関心のあるテーマの際にご参加いただければ、より興味の近い方と知り合えるかと思います。

― ちなみに、次回のミニ移植塾のテーマは何ですか。

ミニ移植塾

石丸さん:
次回は、フリーディスカッションです。フリーテーマで、先生にお聞きしたいことを順次お聞きしていくというスタイルの、人気の回です。20人くらいの少人数に限定して小さな部屋で開催しますので、とても話しやすい雰囲気ですね。出席した全員が発言しています。他の出席者の方から、「それ私も経験があるよ」とか「こうするといいよ」というアドバイスがあればもちろんいただきますし、私たちが知っていれば、こちらからも発信します。

― イベント以外でも、会員の方が有志で集まったりすることもあるのですか。

大沼さん:
仲良しのグループで、食事に行ったりしている方々はいらっしゃいますね。私も、「グルメの会」というのに参加したことがあります。

石丸さん:
月に1回とか、定期的に集まっているというような話もお聞きしたことがありますね。新たに友人が欲しい方は、イベントに参加すれば、隣の席になった方とすぐに話ができると思いますので、ぜひ気軽に参加して、お友達を見つけてほしいですね。

小柳さん:
イベントの後には、必ず懇親会もあります。先生にも、できるだけ懇親会に参加していただくようにお願いしているので、勉強会で聞けなかったことはその場で聞いていただくこともできると思います。お酒が入ると、ちょっと打ち解けやすくなるところもあると思いますので、楽しんでいただければと思います。私たちも、3人ともよく飲みます(笑)。

― 会員の方から、「あけぼの会に入っていてよかった」と言われるのは、どのようなことですか。

小柳さん:
勉強会などのイベント後のアンケートには、さまざまなご意見をいただいています。やはり、「いろいろな方と知り合えてよかった」とか「勉強会に出席して、長期生着のための知識をいろいろ学べてよかった」というような意見が多いですね。移植者の会員さん同士でご結婚されている方もいらっしゃいます。それと、ここへ来れば他の会員さんの元気な姿が見られるので、それを見て自分も元気をもらったと感じられる方も多いようです。

― みなさん自身は、「あけぼの会をやってきてよかった」と思うのはどのようなときですか。

大沼さん:
イベントのときなどに、参加された会員の皆さんから、「今日の勉強会は本当にためになりました」「また参加したいです」などと言っていただけることが、やはり一番うれしいですね。

石丸さん:
会報も、きちんと読んでくださっている方々がいて、「会員の声」というコーナーでお返事をいただいたり、御礼を言われたりすることが、とても多いのです。そのようなときに、やはり、「やっていてよかったなあ・・・」と思います。会員さんも私たちも同じ移植者で、同じ目線だと思います。それを、皆さんを代表して私たちが運営させていただいているので、自分が元気なうちは、できるだけ多くみなさんの声を聞いて、できることをしていきたいと思います。

小柳さん:
移植というのは、愛がないと成立しない、一方通行ではできない医療です。「そういうものを受けて、今私たちは生きていられる」ということに感謝しながら、みんなで分かち合っていければと思っています。そういう意味で、あけぼの会に出席すると、やはり感動することが多いですね。体験談を聞いて、「自分もがんばっていこう」と思うことも多いです。


■入会について

― あけぼの会に入会するにはどのようにしたらよいですか。

大沼さん:
メールでご連絡いただければ、郵送で入会キットをお送りしますので、それを受けて会費の納入をお願いします。それで完了です。次の会報から自動的に送られてきますのでお待ちください。

― 東京女子医大で移植を受けられた方でなくても、入会は可能なのでしょうか。

小柳さん:
はい。基本的にどなたでも入会可能ですので、東京女子医大で移植を受けられた方でなくても、もちろん大丈夫です。他の病院で移植を受けられた方が、「自分が移植を受けた病院では患者会がないので、こちらに参加させてください」とおっしゃって、参加してくださっているケースは多いですね。

石丸さん:
他の病院の先生や看護師さんが、イベントを覗きに来られることもあります。また、移植者以外の方でも、あけぼの会に賛同してくださる方であれば、大歓迎です。透析患者の方で会員になられている方もいらっしゃいますね。


■今後について

― 今後、あけぼの会としてやってみたいことはありますか。

小柳さん:
近隣の患者会と一緒に、勉強会やイベントを合同で開催するなどの交流ができるとよいと思います。それと、以前は年に2~3回ほど、会員20~30名くらいが集まって、駅前や公園で臓器提供意思表示カードの配布をしていたのです。今は諸事情で活動できていないのですが、移植によって自分が元気になるだけでなく、他の方も救ってあげられるような、そういう活動も行っていければと思っています。


■メッセージ

― あけぼの会や患者会にご興味を持っていらっしゃる、読者の方々にメッセージをお願いします。

集合写真

小柳さん:
あけぼの会は、会員数も非常に多いですし、いろいろな経験をされた方がたくさんいらっしゃいます。またご存知のように、東京女子医大は、移植症例が日本で一番多い病院ですので、先生方のご講演でも、世界最先端の移植医療のお話が伺えます。また、私たちも皆さまに、何かしらのお話などができるかと思いますので、安心してご入会していただければと思います。


大沼さん:
あけぼの会では、会員それぞれの抱えている問題や症状などについても情報交換ができています。「それだったらこっちの病院に行ってみよう」とか「この先生の診察を受けてみよう」というような身近な情報もたくさん得ることができます。移植腎の長期生着に必ず役立てることができると思いますので、ぜひご参加ください。

石丸さん:
私は、もともと自分の周りに移植者の友達がいたわけではないので、こうやって移植者のみんなで集まって、悩みを聞いてもらったりしながら元気になってきました。ですから、移植者の友人を探しているような方には、ぜひご参加いただければと思います。いろいろと悩んでいる方も多いと思いますが、気軽に「ちょっと勉強会でも行ってみようかな」と足を運んでいただけるといいなと思っています。そうしたら、私たちのような、元気に20年も生着している移植者に会えますよ(笑)。


※あけぼの会の詳細、連絡先などはこちらの患者会ページをご確認ください。

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