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MediPress編集部 コラム

  • 第14回 生体腎移植ドナーの会 開催報告 (名古屋 ウインクあいち)

    第14回 生体腎移植ドナーの会 開催報告 (名古屋 ウインクあいち)

2016年9月25日(日)「第14回生体腎移植ドナーの会」が、ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて開催されました。

「生体腎移植ドナーの会」は、代表の棚橋千珠子さんが、ご自身がご主人の生体腎ドナーとなられたご経験をきっかけに、ドナーの思いをドナー同士で話せる、相談できる場を持ちたいと、ドナー主導の会として2003年に立ち上げられました。2008年6月からは年1回のドナーの会だけではなく、より多くの機会を設けたいという思いから、毎月1回の「ドナーの広場」も開始され、ドナーの広場は、今年9月29日の開催で100回目を迎えました。これまでに、ドナーの会、ドナーの広場、ドナーの広場サテライトには、約3400名の方が全国各地から参加されています。

「第14回生体腎移植ドナーの会」当日の参加者は、名古屋第二赤十字病院の他、愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県、奈良県、大阪府、福井県、東京都、大分県、宮崎県、静岡県の合計8施設で移植手術を受けられたドナーを中心に、レシピエント、医療関係者など138名の方が参加されました。

ドナーの会の運営団体である、NPO法人 日本移植未来プロジェクトの打田和治理事長(愛知医科大学移植外科 客員教授)の開会の挨拶、渡井至彦先生(名古屋第二赤十字病院移植外科)の挨拶とスタッフ紹介の後、名古屋第二赤十字病院移植外科の山本貴之先生の基調講演が行われました。

山本先生

講演は、「名古屋第二赤十字病院での生体腎移植ドナー手術の現状と工夫」というテーマで、生体腎ドナー手術の現状や手術方法、合併症と対処法、手術における最近の工夫などのお話がありました。
一般的に腹腔鏡によるドナー腎摘出手術は、開放手術と比較して、患者さんの術後の痛みが少ないことや、術後の入院期間や社会復帰までの期間が短いという利点があることを説明された上で、現在名古屋第二赤十字病院で行われている経腹的腹腔鏡下ハンドアシストドナー腎採取術について、実際の手術の動画を使って解説されました。名古屋第二赤十字病院における腹腔鏡によるドナー腎摘出手術では、開放手術と比較して手術時の出血量が少なく、手術時間も若干短く、移植のための適切な腎摘出を行うことが可能となっているとのことです。

その後、参加者が14のグループに分かれて分散会(グループトーク)が行われ、医療関係者も交え、悩みや不安、気になることなどを共有して解決し合い、情報交換が行われました。

対談

全体会では、「ドナー人生、長生きするにはどんな生活すればいいの?」というテーマで豊橋市民病院移植外科の長坂隆治先生が講演されました。ドナーとなられた方は、片腎であることを忘れず、一般の方と同じく生活習慣病を予防することが大切だというお話をされました。特に食生活においては、塩分の取り過ぎに注意することはもちろんのこと、異性化糖(デンプンから作った液体の天然甘味料で、清涼飲料水や冷菓などに多く使われている)の取り過ぎにも注意が必要というお話があり、バランスのよい食生活の大切さを強調されていました。
全体会の最後には、長坂先生、山本先生、棚橋さんの対談が行われました。

閉会の挨拶では、後藤憲彦先生(名古屋第二赤十字病院移植外科)が、生体腎ドナーと健常人(生体腎ドナーの適応基準を満たす健常人)の長期経過後の末期腎不全の発症率を比較した研究論文を紹介され、生体腎ドナーは手術後の長期的なフォローアップが大変重要であることを強調されました。名古屋第二赤十字病院では2006年からドナー外来も行われており、生涯に渡ってドナーのフォローアップを行う体制が整えられています。


ドナーの会、ドナーの広場では、ドナー間の横の繋がりを大切にされており、何か心配事が生じたら誰かに聞いてもらえる、移植後の結婚・出産・就職等の喜びも分かち合い、身内のように感じられる、というように、1人でも多くの仲間を作っていただくことに努めていらっしゃるとのことです。移植後のドナーの方や、これからドナーになろうとお考えの方は、まずは、ドナーの広場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

生体腎移植ドナーの広場のご案内はこちらから

尚、来年2017年のドナーの会は9月24日(日)にウインクあいちにて開催される予定です。


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