トップページ  >  移植コラム  >  MediPress編集部コラム  >  第21回世界移植者スポーツ大会 チームドクター 丸井祐二先生 インタビュー

MediPress編集部 コラム

  • 第21回世界移植者スポーツ大会 チームドクター 丸井祐二先生 インタビュー

    第21回世界移植者スポーツ大会 チームドクター 丸井祐二先生 インタビュー

世界中から移植を受けた方々が集まり2年に1回行われるスポーツの祭典、世界移植者スポーツ大会が、2017年6月25日~7月2日にかけて、スペインのマラガにて開催されます。
日本チームのチームマネージャー&チームドクターである丸井祐二先生(聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科 准教授)に、世界移植者スポーツ大会への参加目的や、移植後のスポーツの魅力、世界大会に向けての意気込みなどについてお聞きしました。


世界移植者スポーツ大会とは?

■世界移植者スポーツ大会(WORLD TRANSPLANT GAME 以下 WTG)と世界移植者スポーツ大会連盟(World Transplant Game Federation 以下 WTGF)および、WTG参加の意義

WTGは、移植医のモーリス・スラパック博士の発案で、1978年イギリス・ポーツマスにおいて、4カ国からの移植者の参加で始まりました。その後、参加国は増加し、現在では世界66の国と地域がWTGFに加盟し、参加者が1,000人を超える大会となりました。WTGF本部はイギリスのウィンチェスターにあり、2年に1度各国代表による総会が開かれ、会長、財務担当評議員、事務局担当評議員と10名の評議員が選出されます。WTGFは国際オリンピック委員会の公認を受けており、1994年からは、隔年開催の夏期大会に加え、冬期大会をその間の年に開催し、様々なスポーツ競技に臓器および骨髄移植レシピエントが参加しています。これらの大会にはあらゆる年齢や能力の人が参加し、異なった国で開催されています。

<WTGの趣旨は以下の5点です。>
①移植者によるスポーツ競技を開催し、それを社会に発信することで、移植医療の成功に対する社会的認識を高めます。
②移植医療に必要な臓器提供への理解と受容を大幅に高めることにより、臓器提供数の増加につなげます。
③運動やスポーツによって得られる健康的なライフスタイルを通して、移植者たちの全面的社会復帰と幸福を促進します。
④移植後のスポーツによる恩恵についての医学的調査を進め、移植者を支援します。
⑤移植者の長期にわたる健康管理と幸福のために、身体活動と団体スポーツが重要であることを発信していきます。

「臓器を提供いただいた方とそのご家族に移植者が常に感謝し、移植臓器を大切に、その臓器と共に生きる喜びを感じつつ生活していることを知っていただきたい。臓器の提供を受け甦った人達が、一般の方々とまったく同じように元気にスポーツを楽しむことができ、新しい人生を存分に楽しんでいることを知っていただきたい。」
WTGは、このような移植者たちの思いをも伝えたいと願う大会です。また、国内の移植者が世界大会に参加して交流の場を広げ、競い合い、日本国旗を掲げることで、さらに国内のスポーツを盛り上げるのにも意義あるものと考えています。


■大会への参加目的

いのちの贈りものに感謝して生きる臓器移植者が、移植者のオリンピックとも言われるWTGに参加し、移植者の健康回復と社会復帰を広報することにより、臓器移植の普及啓発活動に寄与すること。


■NPO日本移植者スポーツ協会について

1998年3月に設立後、2000年11月大阪府より特定非営利活動法人として認可を受け、日本におけるWTGFの正式メンバーとして登録されているNPO法人です。2001年8月には、第13回世界移植者スポーツ大会を兵庫県神戸市にて主催し、その後2003年から2015年アルゼンチン大会(2013年南アフリカ大会は不参加)まで、隔年開催の世界移植者スポーツ大会の窓口として選手の登録、派遣を行っています。
また、全国移植者スポーツ大会を主催しています。2016年は9月17日、18日に兵庫県神戸市しあわせの村にて、第25回大会を開催しました。この大会はWTGと同様の趣旨を掲げて毎年開催しており、毎回開催都道府県を変えることで、日本の各地の移植医療の啓発活動に寄与しています。


チームドクター兼チームマネージャー 丸井祐二先生(47歳)に聞く、大会への意気込み

■世界移植者スポーツ大会への参加歴を教えてください。

2007年第16回タイ・バンコク大会、2009年第17回オーストラリア・ゴールドコースト大会、2011年第18回スウェーデン・イヨーテボリ大会にチームドクターとして、2015年の第20回アルゼンチン・マルデルプラタ大会ではチームドクター兼チームマネージャーとして参加しました。


■移植者スポーツ大会との出会い、そしてご自身のスポーツとの出会いについて教えてください。

丸井先生

2004年に愛知県で行われた全国移植者スポーツ大会から国内大会に参加し、移植者が回復してスポーツをする姿に心打たれ続けています。おかげで、腎移植患者さんの外来でも毎回、運動のことを話題にしています。

私自身は小学校から大学、働くようになってからも剣道をしていましたが、最近は時々竹刀を振るくらいになってしまいました。大学で本格的に競技スキーを始めてからは、一応競技会出場を続けています。今年は軽井沢の大回転競技で飛び賞のやきそばUFOを一箱ゲットし、家計を助けています(笑)。
ランニングと水泳はとても不得意ですが、泳ぎに行くとむきになって、クロールで1km泳いでくたくたになっています。この4年ほど集中力が勝負となる、とあるスポーツに取り組んでいます。


■移植者スポーツ大会の魅力はどんなところにありますか?

まず、同じ移植医療により病気を克服してきた人たちが集まって、真剣に競技しあうということで、それまでの身体的な理由で敬遠しがちだった運動に対する考え方の転換と、スポーツに対する興味・意欲がわくことがあげられます。身体的な可能性を発見できる喜びは、移植者でない自分にもひしひしと伝わってきます。そのことは、移植医療者にとっての大きな喜びであり、この医療を続けていることの誇りと感じます。

また、移植者から発せられるメッセージは、回復した喜びと、それを支えたドナー、家族への感謝であり、この力強いメッセージは、参加者、サポーターの心に届いていると思います。こうした活動は、移植医療が社会にとって必要であること、ドナーとなることの意義について直感的に伝える大きな手段であると考えています。
これからも、移植外科医として手術、診療だけでなく、さまざまな機会を通じて移植者スポーツ大会の魅力を伝えることで、移植医療の理解・推進に努力していきたいと思っています。


■今回の世界移植者スポーツ大会への意気込みをお聞かせください。

表彰台に日の丸をたくさん掲げ、必ずみんなを無事につれて帰ってきます。


第21回世界移植者スポーツ大会 参加選手のご紹介はこちらから


お気に入り記事に登録

MediPress編集部 過去のコラム

この記事を見た人が読んでいるのは