市川先生との出会い

移植に関してはいつ頃から検討されていたのでしょうか?

高田さん
移植については、腹膜炎を度々起こし、いよいよ血液透析に切り替えなければならないとなった時に真剣に考え始めました。
透析でお世話になっていた主治医の先生に県立西宮病院を紹介され、泌尿器科を受診し、市川先生から移植についての説明を受けました。移植手術の約1年ほど前だったと思います。

その時にはどの様なお話がありましたか?

高田さん
まずはドナーとの適合検査が必要だというお話があったと思います。

最初からお父様がドナーになる予定だったのですか?

高田さん
当時は1つ年下の弟がドナーになってくれるという話でした。弟は年齢も背格好も近いので、弟がドナーになってくれるのであれば大丈夫だろうと勝手に思っていました。

お父様(ドナー)
私も、息子達は背格好も似ていましたので、次男がドナーになれば大丈夫だろうと思っていました。自分自身は糖尿病の気がありましたので、ドナーになることは出来ないのだろうと思っていました。

高田さん
当時は移植に関しての知識もあまりなかったので、母親も自分と血液型が違うので、ドナーになることは出来ないのだろうと思っていました。

市川先生
ドナーとレシピエントの血液型が違う場合でも治療の仕方は少し違いますが、移植は可能ですね。

高田さんと市川先生

父の温かい申し出

その後どの様な経緯でお父様がドナーとなられることになったのでしょうか?

高田さん
当初は弟にドナーとなってもらい移植手術をすることを考えていたのですが、検査の結果ドナーとなることが難しいということが分かり、とてもショックを受けていた私に、先生が「お父様やお母様でも可能性があるかもしれないから、まずはお父様との適合検査をしてみましょう」と言ってくださいました。

市川先生
お父様の体調のこともありますので「調べてみなければ分からないけれど」というお話をさせて頂きましたね。

お父様は移植に関しての知識をお持ちだったのでしょうか?

お父様(ドナー)
当時は移植に関しての知識はほとんどありませんでしたが、親として息子に提供できるものなら提供したかったですね。その後検査入院をして、移植可能だという話になりました。
ドナーとなることが出来ると分かり、とても嬉しかったですね。駄目だと思っていましたので、ほっとしたのを覚えています。

ドナーの方の検査入院はどのくらいの期間入院するのですか?

市川先生
当時は1週間でしたね。現在は入院が3日位と外来で2日位ですね。

最終的に移植手術を受けようと決めたきっかけは何だったのでしょうか?

高田さん
腹膜透析、血液透析を通して約5年間は常に体がだるく、会社での仕事は先輩や同僚に迷惑を掛けてばかりいました。そんな時、移植が出来ると分かり、さらに父より「今より元気になれるんやったら移植しよう!」と言ってもらったことで、手術を受けようと思いました。

移植手術に向けて

移植手術を受けることを決められてから、お父様とはどの様なお話をされましたか?

高田さん
父は少し糖尿の気がありましたので、とにかく父の体の事が心配で、「本当に出来る?大丈夫?」と私の方からよく尋ねていました。父は常に「大丈夫や!」って答えてくれました。

高田さんとお父様

移植手術が決まってから、実際の手術まではどのくらいの期間がありましたか?またその間、日常生活で特に気をつけていたことはありますか?

高田さん
手術までの期間は半年くらいだったと思います。
血液透析中は、常に体がだるかったので、元々行動範囲の狭い生活を送っていましたし、当然食事も塩分・水分を控え目にするようにしていましたので、移植手術が決まったからといって特に気を付けていた事はありませんでした。塩分控えめな食事などを作ってくれていた母には、特に気を遣わせていたと思います。