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レシピエントインタビュー

岩松輝昌さん
移植種類: 生体腎移植
お名前: 岩松輝昌さん
ドナー: 奥様
移植後: 約1年(取材時)
病院: 高知医療センター
ドクター: 渋谷祐一先生
取材日: 2014/08/07

高知医療センター レシピエントインタビュー

76歳の挑戦

高知医療センター レシピエントインタビュー第1回目は約1年前、76歳の時に奥様がドナーとなり生体腎移植を受けられた、岩松輝昌さんです。岩松さんは50代後半から保存療法を行い、75歳の時に血液透析導入となりました。その1年後、ご夫婦ともに70代半ばで夫婦間腎移植に挑戦し、現在はとても充実した生活を送っていらっしゃいます。移植手術に臨まれた時のお話や、移植前から移植後の現在に至るまでの徹底した自己管理法についてなど、さまざまなお話をお聞きすることができました。

Vol1 keii
        

移植を希望して

病状が出始める前から、病状が出始め、保存療法を行っていたころの生活について教えてください。

岩松さん
74歳まで仕事を続けていましたが、在職中は営業の仕事をしておりましたので、夜のお付き合いも多く、アルコールの量も多かったと思います。月に2〜4回程度、ゴルフにも行っていました。毎年健康診断を受けておりましたが、57歳の健診の時に、クレアチニン値が1.3 mg/dl となったため、翌年から総合病院の泌尿器科に通院し始めました。特に体の調子が悪いと思うこともなく、仕事を続けながら月に1回のペースで通院をしていました。その後、64歳の時に腎生検を受け、腎嚢胞と診断されました。72歳くらいから、毎年クレアチニンの値が上昇するようになりましたが、高知医療センターの腎臓内科に月に1回通院しながら、仕事を続けておりました。
食事に関しては、栄養士の先生からご指導された通りに、食品成分表と秤を使用しながら、塩分・たんぱく質・カリウム・リンなどを控えめにして、1日に1800kcalは取るように心がけておりました。退職後は療養していましたが、クレアチニンの値が上がっても、特に体調が悪いことはありませんでした。


移植前の旅行

移植前の旅行


その後、75歳の時に血液透析導入となられたとのことですが、透析導入時には移植も検討していらっしゃったのですか。

岩松さん
はい。本やインターネットで調べて、腎不全の治療法には腎移植や透析があるということは知っておりました。ただ、腎臓内科に通院している時に、「移植は、70歳くらいまでであればできると思いますが、70代半ばでは難しいかもしれません」と言われたことはありました。


渋谷先生
以前は、65歳くらいまでと言われていましたが、最近は、ご高齢の方でも移植を希望される方が増えているということもあり、70歳以上の移植も少しずつ増えています。岩松さんも、最初に腎臓内科の先生から、「透析よりも移植を希望されています」とお聞きしたのですが、「年齢を考えると移植はやめておいた方がいいと思います」と一度お断りした経緯があります。でも、その後、透析導入された際に、ご本人からもう一度移植希望の話が出たので、「そこまで強い思いがあるのであれば、よく調べてみましょう」とお話しし、移植のための各種検査を行いました。


岩松さん
最初に、移植を希望していることを先生にお伝えさせていただいた時、年齢のことをはっきりと言われたことを覚えています。それでも、「できるかできないかは別にして、検査をしてほしいと」と、私も妻もお願いをしました。その時は週2回の透析をしておりました。

そこまで強く移植を希望されたきっかけは何だったのでしょうか。

奥様

奥様(ドナー)
主人が透析を受けていた時のことです。中学3年生の孫と一緒に、透析施設に主人を迎えに行ったのですが、主人はとても疲れた様子で、背中も曲がり、肌も黒ずんだ感じに見えました。そのような主人を見た孫が、「あれがおじいちゃん?私のおじいちゃんはもっとシャンとしてる。あんなのはおじいちゃんとは違う!」と言って、私の手を握りながら泣いたのです。それも主人に見えないように、私の後ろでね。「おじいちゃんは、家に帰るまでには元気になってシャンとするから、一緒に帰ろうね」と言って車で帰ったのですが、車の中でも主人に見えないように泣いていました。
主人のことが大好きな孫を悲しませたくないという気持ちもありましたし、私自身も、迎えに行った主人のその姿を見るのがなんだか悲しくて、いつも、「何とかならないだろうか」と考えていましたが、当時は、「腎移植は自分たちができるものではない」と思っていました。

移植は自分たちにはできないと思っていたのに、どうして挑戦しようと思ったのでしょうか。

奥様
いろいろと調べ、腎移植を経験された方からお話をお聞きするうちに、「移植はすごい。素晴らしい。主人が元気になれるなら、やはり移植がいいのではないか。」と考えるようになっていきました。


岩松さん
ただし、お話をお伺いした移植者の方々は、移植をされた時の年齢がまだ40〜50歳代くらいでしたので、内心では、「さすがに76歳では、無理なのではないかな」とも思っていましたね(笑)。


移植手術に向けて

その後、移植を強く希望され、手術に向けて準備を進めていかれたわけですが、奥様は、ドナーになることに不安はありませんでしたか。

奥様
私は以前に、胃がんで胃の全摘出手術を受け、脳動脈瘤の手術も経験していましたので、それでもドナーになれるのかということが心配でした。また、以前から診ていただいていた主治医の先生から心配されたこともありましたが、「渋谷先生がついていてくださるので、大丈夫です。頑張ります。」とお話ししていました。渋谷先生には、ドナーになれるかどうかの事前の検査をしっかりとしていただき、丁寧に説明もしていただいていましたので、とても信頼していました。


岩松さん
また、高知医療センターでは、年に何例の移植手術が行われているかというようなこともお聞きしていましたので、安心感がありました。そして現在の医療は進歩しているし、私たち夫婦も大丈夫だろうと思いました。

先生、最初は、岩松さんご夫婦は年齢的に移植は難しいとお考えだったものの、検査をしてみようと思われたのはなぜですか。

渋谷先生
やはり一番は、岩松さんに熱意があったからです。移植に対する希望が非常に強かったので、「そこまで希望されるのであれば、私たちもそれに応えないといけない」という気持ちになりました。また、岩松さんといろいろお話をさせていただき、手術という大きなハードルを乗り越えていける方だろうと思ったためです。


河野コーディネーター

河野レシピエント移植コーディネーター
私も最初はご年齢のことが心配だったのですが、お話をお伺いして、実際の年齢からは想像もできないくらいに、しっかりと自己管理をされている方だということが分かりましたので、岩松さんであれば、移植後も大丈夫だろうと思いました。

こちらの病院で移植をされた方のこれまでの最高年齢は何歳ですか。

渋谷先生
最高齢は、岩松さんの76歳ですね(笑)。


岩松さん
だからこそ、これからも自己管理をして元気でいないといけないと思っています(笑)。

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