両親の深い愛情

先生、友永さんは生体腎移植を希望されてから、2年半後に移植手術を受けられていますが、当時(2007年ごろ)、東京女子医科大学病院泌尿器科では、生体腎移植を希望してから実際の手術までの待機期間はどのくらいだったのですか。

東間先生

東間先生
当時は移植を希望してから実際の手術まで、3年近くの待機期間がありました。そのため、患者さんができるだけ早く腎移植手術を受けられるように、他施設と連携して移植手術を行う取り組みを始めました。戸田中央総合病院はそのような施設の第一号で、1992年より腎移植を開始し、2014年までに200件以上の移植手術を行っています。現在、戸田中央総合病院では、移植を希望されてから実際の移植手術を受けるまでは、最短で3カ月くらいです。

友永さん
私も最初は、東京女子医科大学病院で移植手術を受けようと思っていたのですが、戸田中央総合病院でも東京女子医科大学の泌尿器科と連携して腎移植手術が行われているということをお聞きし、最終的に早めに移植手術ができる戸田中央総合病院で移植を受けることにしました。

その後、実際に移植手術に向けて進んでいくことになったわけですが、ドナーの方はどのようにして決まったのですか。

友永さん
私がIgA腎症と診断されてから、父はずっと、「俺のをやる。お父さんが腎臓をやるけん大丈夫や。」と言っていました。実際に手術に向けて話を進めることになった時にも、父は自分がドナーになると言っていました。そして、検査の結果、父も母もドナーとなれることが分かりました。ただ、術前の検査のために1週間入院する必要があり、手術日がいつになるか分からない状況もありましたので、父が急に仕事を休むのは難しいだろうということで、母がドナーとなってくれることになりました。母がドナーになることが決まった後も、父は、「自分がドナーになる」と言って渋っていたようです(笑)。

お母様がドナーになってくれるというお話を聞いて、どのようなお気持ちでしたか。

友永さん
10代のころから、「いずれ移植をしよう」と両親から言われていましたが、いざ移植をすることが決まると、「本当にいいのだろうか?」と、健康な母の体に傷をつけることにかなり悩みました。その気持ちを親友に打ち明け、相談すると、「きっとお母さんは、自分の腎臓をあげることで、娘を助けることができて良かったと思っているよ。私が親でもそう思う。」と言われ、その言葉のおかげで、「私が移植を受けることで、両親に喜んでもらえるなら」と思えるようになり、移植手術に向けて進んでいけるようになりました。

実際に移植手術を担当された先生と、初めてお会いしたのはいつですか。

友永さん
移植前の検査のため、2009年8月に戸田中央総合病院に1週間入院しました。その時に移植担当医の先生にお会いしました。母も一緒に入院したのですが、母は、「ずっとこの時を待ってました!」と喜んで先生に話していました。
検査入院の際には、看護師さんに移植後の患者さんを紹介していただき、手術前に何を準備すればいいのかなど、いろいろとお聞きすることもできました。その方からは、「手術後は、『水をたくさん飲んでください』と言われるけれど、術後はレシピエントもドナーもすぐに動けないので、手術前にたくさん用意しておいた方がいいですよ」というようなアドバイスをいただき、とても参考になりましたね。

その後、移植手術の日程が決まり、お母様とはどのようなお話をされましたか。

友永さん
母は、「やっと決まったね。うれしいね。これで良くなるわ。」と喜び、私も、「そうだね。ありがとう。」と返したと思います。あとは、「お互いに風邪を引いたりしないようにしないとね」という話をしていました。

検査入院から実際の手術までの期間はどのくらいでしたか。その期間の生活で特に気を付けていたことがあれば教えてください。

友永さん
2009年8月に検査入院し、手術日が11月20日でしたので、大体3カ月くらいでした。その間は風邪を引いたりしないように注意していましたが、母は、「病気になってしまうと、あげられなくなる」と、とても体調に気を使っていました。父方の祖母が施設に入っていたのですが、その施設に結核の疑いのある入所者の方がいたので、手術が終わるまではしばらく面会に行かないようにしていたくらいです。


移植前家族と