移植後のよろこび

移植をしてから一番良かったこと、うれしかったことはどのようなことですか。

金内さん

金内さん
移植後は何を食べてもおいしく、それがとてもうれしかったですね。
また、透析中は、牛乳は100mlも飲んでいいかどうか、という感じだったのですが、移植後、どのくらい飲んでいいのかと聞くと、「500mlくらい飲んでもいいです」と言われたこともうれしかったです。今は年齢的にそんなにたくさん飲めないですけどね(笑)。

北田先生
最近は、透析導入前に移植をする先行的腎移植(プリエンプティブ腎移植)の患者さんが増えています。腎不全の時期から食事制限がありますが、金内さんのように長期間透析を受けていた患者さんは、水分制限などさらに厳しい制限がありますから、「普通の食生活が送れる喜び」は我々の想像を超えたものがあると思います。

移植後の日常生活では、移植腎のために特にどのようなことに気を付けて生活をしていますか。

金内さん
朝、晩の薬の飲み忘れが無いようにすること、体重や血圧、体温の管理、うがいなどは毎日行っています。私の場合は体質なのか、食べてもなかなか体重が増えません。


北田先生
移植後は食べ物がおいしく感じるようになり、食事制限も緩くなりますから、太ってしまう方も多いですね。ご自身の適性体重を把握し、その体重を維持することが大切です。

日常の服薬や、血圧、体重等の記録はどのような方法で行っていますか。

毎日の自己管理表

金内さん
今でも、入院中に病院から頂いた管理表をコピーして使っています。200枚くらいコピーしておくと、両面を使うので1年間記録できます。

移植後、食べ物がおいしいと感じるようになったこと以外にも、よかったことはありますか。

金内さん
仕事柄、全国各地へ泊りがけで取材に行き、いろいろな人たちと交流できることが本当に楽しいです。
私はお酒を一滴も飲めないのですが、飲まなくても酔っ払いと互角に朝まで付き合えます(笑)。
また、透析中も韓国やバリなど、海外にも行きましたが、透析日と透析日の合間に行った時には、「万が一帰国が延びるようなことがあったら」とドキドキしました。移植後はそのような心配も無くなったので、韓国にも何度も行きましたし、ハワイ、中国、台湾などにも行きました。今後もいろいろなところに旅行したいと思っています。
そして、多くの人に腎移植の素晴らしさを広めたいと思っています。移植後は透析中に比べ、世界がぐんと広がります。できるだけ多くの人が移植を受けることによって、いろいろなものを見て、いろいろなものを食べて、いろいろな経験をできるようになってほしいと思います。


バリとハワイ


現在はどのくらいの頻度で外来を受診していますか。

金内さん
外来通院は月1回~2カ月に1回の頻度です。でも最近は、このクリニックが自宅からとても近いので、毎月来ています(笑)。

ピーエスクリニックの移植外来ではどのような検査を行っているのですか。

北田先生

北田先生
通常の血液検査、尿検査はもちろんのこと、必要に応じて、胃などの上部消化管の内視鏡検査、X線検査、CT検査、エコー検査、骨密度測定など幅広い検査を行っています。「今日CT検査を行いたい」というような場合でも、すぐに対応できるところがこのクリニックの強みです。
また、必要な検査を迅速に行うようにし、来院してから採血まで、そして結果が出るまでに要する時間が1時間以内で済むようにしています。
クリニックですので、救急外来がないことを心配される患者さんもいらっしゃいますが、何かあれば私に直接連絡をしてもらい、緊急時にも対応できるようにしています。