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レシピエントインタビュー

岡山大学病院レシピエントインタビュー Vol.1

花﨑沙紀さん × 岡山大学病院 荒木元朗先生

子どもを授かって

花﨑さんは移植後にご出産されていますが、いつごろご結婚されたのですか。

移植後、新婚旅行にて


花﨑さん
移植の約4年半後に入籍しました。

ご結婚後、子どもを持とうと考えた際には、荒木先生に相談されましたか。

花﨑さん
実は荒木先生に相談する前に一度妊娠し、流産してしまったのですが、その時は先生に怒られて、泣きながら謝りました。


先生、妊娠・出産の可能性がある移植患者さんにはどのようなお話をされるのですか。

荒木先生
腎移植患者さんが妊娠・出産を考えている場合には、必ず事前に相談していただくようにお伝えしています。服用している免疫抑制薬などの一部の薬を変更し、経過を確認して、妊娠の許可を出さないといけないからです。具体的には、セルセプトというお薬は大変良いお薬なのですが、催奇形性があります。よって妊娠を希望する女性患者さんの場合は、免疫抑制機能はセルセプトに劣りますが、催奇形性の少ないイムランというお薬に変更する必要があるからです。
花﨑さんにも、「移植後1年以上経過して腎機能もいいので、いつでも妊娠・出産を考えて良いですが、子どもに影響が出ないように免疫抑制薬の変更が必要なので、必ず事前に相談してください」とお話ししていました。花﨑さんからは、「この先1年は妊娠・出産は全く考えていません」という回答でした。にもかかわらず突然、「できてしまった」と言ってこられた時には、“子どもを産む”という親としての認識が、ご本人のみならずご主人にも欠けていると思い、厳しく注意しました。産まれてくるお子さんに大きなリスクがあるわけですから、移植後の妊娠・出産は必ず計画的に進めなければなりません。
花﨑さんは私に怒られて泣いたと言っておりますが、私の診察室に入る前から泣いていました。実際に理想的でない状況で妊娠してしまい、事の重大さに気付いたのだと理解しています。


花﨑さん
その後は反省して心を入れ替え、計画的に妊娠しました。

妊娠中に特に気を付けていたことはありますか。

花﨑さん
塩分を取り過ぎないようにすることや、水分摂取を心がけること、血圧管理や体重管理に気を付けました。
ただ、それ以外は特別なく、それまで通り仕事をして、神戸や岐阜に旅行にも行きましたね。


家族旅行


妊娠何週目で出産されたのですか。

花﨑さん
36週の最後の方で妊娠高血圧症候群になり入院し、37週で出産することになりました。最初は自然分娩で陣痛促進剤なども使用して頑張ったのですが、なかなか産まれず3日目となり、その間に2度ほど、私の血圧がかなり下がってしまったので、最後は急遽帝王切開で出産しました。結局息子に会えるまでに4日かかりました。

それは大変でしたね。出産された後は、特に注意していたことはありますか。

花﨑さん
免疫抑制薬の中には母乳中に移行するものがあるということでしたので、子どものことを一番に考えて母乳をやめ、ミルクで育てることにしました。早めに母乳を止めたので、胸が張ることや痛いこともありませんでした。


羽琉くん1


お子さんが産まれてご自身が変わったと思うことはありますか。

花﨑さん
周りには変わったと言われますが、根本的な部分は変わっていないと思います。


荒木先生
花﨑さんの場合は、腎移植が人生を変える大きなきっかけになったのではないかと思います。移植前はいろいろありましたが、移植してからは本当に落ち着いて大人になりましたね。
移植前の花﨑さんしか知らない先生は、花﨑さんが移植され、非常に経過が良いという話をすると、「えー!あの沙紀ちゃんが移植したのですか?いや無理でしょう。」と言ってびっくりされますね。

移植で大きく人生が変わったということですね。

親子

花﨑さん
移植前の私を知っている人からみると、移植後の私は、「一体どうしたん?」という感じのようです(笑)。


有森コーディネーター
花﨑さんが当院の透析室に息子さんの羽琉(はる)くんを連れて行くと、自称、羽琉くんの“おじいちゃん”、“おばあちゃん”だという透析室のスタッフが、皆口をそろえて、「あの沙紀ちゃんがお母さんになったとはねぇ」と言っています(笑)。


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