支えてくれた多くの人への感謝

岩本先生や八王子医療センターのスタッフにお伝えしたいことはありますか。

串田さん
先生方や看護師さんなど、八王子医療センターのスタッフには本当に感謝しています。皆さん親切で優しいですし、移植するならここの病院にかぎると思います。私は八王子医療センターには産婦人科と小児科以外、ほとんど全部の科にかかっているんじゃないかと思うくらい、お世話になっています(笑)。目から始まり、全部ここで治してもらい、助けてもらいましたからね。これまでにこちらの病院には25回も入院しているんですよ。

25回ですか!すごいですね。

串田さんと岩本先生

串田さん
妻は入院のたびに、毎日見舞いに来てくれたので、私より大変だったと思います。平日は仕事を終えてから病院に来てくれたのですが、面会時間が残り5分しかないという時にも必ず来てくれました。「今日は来ないな」と思っても、カツカツカツと廊下から足音が聞こえて、「よ!」と言って現れるんですよ。何百日と、もう数えきれないくらい通ってくれました。 また、私が勤務している会社には、入院ばかりしているにも関わらず、逆にいろいろと配慮していただき、本当に感謝しています。ですから今は、「恩返しとして頑張らないと」と思いながら働いています。

岩本先生
25回も入院されて、こんなに元気な方はそうそういないですよね。顔色もいいですしね。

奥様
すごいでしょう。「俺は不死身だ、不死身だ」って言ってるんですよ(笑)。

串田さん
なかなか、死なないですね(笑)。

ドナーである奥様への思いを教えてください。

串田さんご夫婦

串田さん
妻にはいつまでも健康でいてほしいと思います。そして、生まれ変わっても妻と結婚したいですね(笑)。

奥様
良かったね。できた女房で(笑)。

串田さん
周りの皆から、「あんないい女房いないよ」と言われるんですよ。だから、「いないだろ。羨ましいだろ。」と言っています(笑)。毎朝、私が起きると、コーヒーが入っていて、妻が私の作業着にアイロンをかけている姿が見えるんです。夏の作業着は薄い生地なのですが、妻のおかげで、「串田さんの作業着、いつもビシッとしているね」と言われます。


メッセージ

最後に、移植手術を控えている、または検討しているレシピエントやドナーの方へメッセージをいただけますか。

串田さん
もし移植できる機会があるのであれば、移植を勧めたいと思います。皆さんが思うほど大変なことではありません。移植後は時間に縛られずに仕事ができ、旅行にも行けるようになり、レシピエントにとってはいろいろな面で、体への負担が減ると思います。私の場合は妻がドナーですので、お互いに体を気遣い合いながらの生活ですが、それもまたいいものです。とにかく楽しく前向きに生きたいと思います。


奥様
移植をする、しないに関わらず、最初にご家族でじっくりと話し合って決めてほしいと思います。軽はずみに決めてしまうと、「あの時、ああしておけばよかった」と後悔すると思います。ご家族だけで話し合うのが難しい場合は、先生や看護師、コーディネーターの方に相談しながら進めてほしいと思います。
私は、主人が透析でしんどい思いをしているのを見るのがとてもつらかったのですが、移植後はそのようなこともなくなり、ドナーになって本当に良かったと思っています。移植後も、半年に1度の検診には行っています。毎日普通に生活していて、ドナーになったことすら忘れるくらいです。個人差はあると思いますが、他の人が思うほど、体がきついと感じることはありません。もしご家族に腎不全で苦しんでいる方がいらっしゃり、ご自身の体がお元気ならば、大切な人のドナーとなってあげてください。少しでも、その人の負担が消えるようにと思っています。

先生、最後に夫婦間移植を検討されている方にメッセージをいただけますか。

岩本先生
現在でも生体腎移植の中で1番多いのは親子間の移植ですが、相対的に親子間の移植の比率が下がり、最近は夫婦間移植が増えています。昔は、夫婦間移植はHLAが合わないことが多く、移植成績は良くありませんでしたが、現在では免疫抑制剤が良くなり、移植成績も良くなりました。そのため、夫婦間移植が増えているという状況があります。また、透析導入の年齢が徐々に上がっていますので、親がドナーになるのは難しい状況が多くなっています。そのような場面で、夫婦間移植という話が出てくると思います。
ご主人に、「もう少し仕事をがんばってもらいたい」とか、「老後は夫婦二人で旅行を楽しみたい」とか、そのようなことをお考えであれば、移植というのも1つの治療選択肢だと思いますので、ぜひ相談に来ていただければと思います。


集合写真