ありふれた微生物「ニューモシスチス‐カリニ」が起こす肺炎。正常な免疫能力を持つ場合発症することは希で、癌(がん)や癌の治療、エイズなどのために体の防御機能が低下した場合にだけ起きます。
腎移植患者さんのような免疫抑制下では、肺炎として発症する可能性があります。
ほとんどの人に、発熱、息切れ、乾いたせきがみられ、これらの症状は通常、数週間かけて起こります。肺が血液に十分な酸素を供給できなくなるため、ひどい息切れが起こります。
以前は、ニューモシスチス・カリニ (Pneumocystis carinii) による肺炎とされ、「カリニ肺炎」と呼ばれました。しかし、犬から見つかったニューモシスチス・カリニ(「カリニ」は「犬の」という意味)と、ヒトで肺炎をおこすニューモシスチスは異なる種類であることが判明し、ヒトに病原性をもつニューモシスチスは命名し直され、これによる肺炎は「ニューモシスチス肺炎」に名称変更されました。