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MediPress編集部 コラム

  • 第21回世界移植者スポーツ大会 大会レポート <後編:大会報告>

    第21回世界移植者スポーツ大会 大会レポート <後編:大会報告>

2017年6月25日~7月2日にかけて開催された、第21回世界移植者スポーツ大会の様子を、聖マリアンナ医科大学 腎泌尿器外科 准教授 丸井祐二先生にレポートしていただきました。<前編:大会に向けて><後編:大会報告>に分けてお届けします。


第21回世界移植者スポーツ大会(スペイン) 大会レポート <後編:大会報告>

第21回世界移植者スポーツ大会は、スペインのマラガで行われ、52カ国から約1,400人が参加しました。日本からは移植者11名、生体腎ドナー1名、ご家族5名、随行医師2名の総勢19名の参加となりました。
今回の大会で、日本チームの選手は金メダル6個、銀メダル4個、銅メダル5個を獲得し、優秀な成績を収めました。


■出発

日本から約12,000km、乗り換えのドバイまで約11時間、スペインのマドリッドまで約7時間半の空の旅を経て、日本チームは大会開催地であるマラガに到着しました。マラガはスペインの南、アンダルシア州にあり、Costa del Sol(太陽の海岸)といわれる観光で有名な地域の中心地です。

マラガ


■大会1日目

17時から開会式が行われました。各国の象徴色で揃えたサポーターがスタンドを埋め尽くす中、入場行進が始まると、日本チームを含め52カ国の選手が、国名を掲げるプラカードボーイに誘導されて、ユニフォームでマラゲタ闘牛場のフィールドを一周していきました。その後、式典やフラメンコなどを見学し、開会式終了後は、参加者全員で闘牛場に下りてディナーとなりました。


開会式


■大会2日目

大会の日程上、この日しか皆で揃って出掛けることが出来なかったので、ツアーを企画し、バスでミハス※見学に出掛けました。さんさんと降り注ぐ日差しの中を、道沿いに建つ風情のある建物に感心しながら、皆で連れ立ってバス停を目指し、バスに乗り込んで山道を1時間揺られると、目の覚めるような白壁が立ち並ぶ街、ミハスに到着しました。
わずかな時間でしたが、馬車で町中をめぐり、昼食や見学など楽しいひと時を過ごしました。
※ミハス:コスタ・デル・ソルにあり、白い村の中心的な町として、国内で有数の観光地となっている。


ミハス


■大会3日目

本格的に競技が始まりました。この日は4つの会場に分かれて行動し、日本チームは、ペタンク※、ダーツ、男子ボウリング、女子ボウリングに出場しました。
※ペタンク:テラン(コート)上に描いたサークルを基点として木製のビュット(目標球)に金属製のブール(ボール)を投げ合って、相手より近づけることで得点を競うスポーツ。

◎競技結果

<ペタンク>
戸塚仁さん、渡邉源喜さんのペタンクチームは初戦タイに押され、予選惜敗に終わってしまいました。

ペタンク


<ダーツ>
下野浩さん、落貫男さんは60代個人のダーツに出場し、見事3位表彰台に上りました。

ダーツ


<ボウリング>
仲里則男さんはマイボールで臨み、並み居る強豪の中善戦しましたが、メダルには届きませんでした。

初参加の堀井敬太くんは緊張から実力を発揮できなかったようですが、持ち前の元気さで友達ができたようです。

堀井さん


ディフェンディングチャンピオンの市川奈々枝さんはレーンの油の乗りが合わず、惜しくもメダルには届きませんでした。

菊地咲帆ちゃんは接戦の末、ボウリング6~8歳の部で、日本チーム初の金メダルを獲得しました。

咲帆ちゃん


夕方には、臓器提供者のことを市民に知ってもらう目的で、ドナーレコグニションウォークが海岸通りで行われ、各国から多くの人が集まって、移植ドナーへの感謝と一般の人々への呼びかけを行いました。


■大会4日目

最もメダルが期待される水泳競技が行われ、若松力さんが60代のカテゴリーで出場しました。また、卓球シングルスに下野浩さん、ボウリング男子ダブルスに仲里則男さん、落貫男さんが出場しました。

◎競技結果

<水泳>
移植後31年の杉山さんが応援団長として、日の丸鉢巻に日の丸扇で必勝祈願をしつつ声援を送り、また、若松さんの娘さんご夫婦も日本から応援に駆け付けました。皆さんの応援のおかげもあり、若松さんは、100m自由形、200m自由形、バタフライ50mで金メダルを獲得し、100m自由形、200m自由形は年代別世界新記録を達成されました。

水泳


<卓球シングルス>
下野浩さんが出場され、フルセットマッチまでいきましたが、予選で惜敗となってしまいました。

<ボウリング男子ダブルス>
仲里則男さん、落貫男さんが出場しましたが、メダルには一歩及びませんでした。

この日は夕方からカルチュラルナイトパーティーが行われ、各国の選手が、自国を象徴する格好で参加しました。日本チームは浴衣で参加し、各国選手と交流し、夕暮れのひとときを楽しく過ごしました。


カルチュラルナイトパーティー


■大会5日目

水泳競技2日目、若松力さんが水泳2種目に、若松恵子さん(生体腎ドナー)が本大会で特別に行われる生体ドナー競技(水泳)に、堀井敬太くんが50m自由形に出場しました。
また、テニスには戸塚仁さんが出場しました。

◎競技結果

<水泳>
若松力さんが前日に続き、50m自由形、400m自由形で金メダルを獲得し、2種目共に年代別世界新記録を達成されました。
若松恵子さんも生体ドナー競技(水泳)で立派に完泳されました。

堀井敬太くんが50m自由形で銅メダルを獲得しました。

堀井さん


<テニス>
戸塚仁さんが出場され、皆の応援の中、善戦しましたが予選惜敗となりました。

テニス


■大会6日目

陸上競技とバドミントンが行われ、陸上競技では、仲里則男さんがクリケットボールスローに、菊地咲帆ちゃんが50m、堀井敬太くんが100mに、戸塚仁さんが100mに出場しました。
バドミントンシングルスには、倉田雄介さんと市川奈々枝さんが出場しました。

◎競技結果

<陸上>
ボールスロー
2007年のバンコク大会では金メダルに輝いた仲里則男さん、今回の大会でも実力を発揮し、銀メダルを獲得しました。

説明


100m予選に出場した戸塚仁さんは残念ながら上位に食い込めませんでした。
堀井敬太くんも100mに出場しましたが、惜しくも結果は振るわないものになってしまいました。

6~8歳の50mに出場した菊地咲帆ちゃんは銅メダルとなりましたが、結果に不満だったようで、次の競技への闘志を燃やしていました。

説明


<バドミントンシングルス>
前大会銅メダリストの倉田雄介さんは、決勝リーグへ進出し、銅メダル以上を狙い健闘しましたが、前大会と同じく銅メダル獲得となりました。
前大会銀メダリストの市川奈々枝さんも、決勝リーグへ進出し、銀メダルを獲得しました。
二人はこの世界大会をきっかけに各国のバドミントン選手と仲良くなり、韓国に招待されて国際試合に参加してきたということです。この大会でも韓国チームからの声援も大きく、コーチに指導を受けていました。


バドミントン


■大会7日目(最終日)

大会最終日は、陸上競技とバドミントンミックスダブルスが行われました。
陸上競技では、菊地咲帆ちゃんが走り幅跳びとクリケットボールスローに、バドミントンミックスダブルスには、倉田・市川ペアが出場しました。

◎競技結果

<陸上>
菊地咲帆ちゃんは、走り幅跳び、クリケットボールスロー共に、銀メダルを獲得しました。
表彰台でマントのごとく日の丸の国旗を背中に掲げ、誇らしげに胸を張る姿には、誰もが感激を覚えました。

さほちゃん


<バドミントンミックスダブルス>
倉田雄介さん、市川奈々枝さんペアが出場し、3回戦まで進みましたが、ドイツの強豪チームに惜敗し、メダルには一歩届きませんでした。

バドミントン


陸上競技終了後には閉会式が行われました。アリーナに全参加選手が集まり、恒例に従い、手と手を取ってみんなで大きなサークルを作り、中心に向かって走り、もみくちゃに集まって大会の盛会を祝い、再会を約束しました。マラガから2年後の開催地Newcastle Gateshead:ニューキャッスル ゲーツヘッド(イギリス)に大会旗が引き継がれました。

閉会式


大会の最後はガラディナー。日本チームの女性陣は楚々とした和服の装いで参加し、他の皆も背広などのフォーマルな出で立ちで出席しました。
ここまで大きな病気、けがなく過ごしてこられたことに心から感謝し、少しほっとした気持ちになった夜でした。


■帰国

マラガの空港では、帰国の途中での免疫抑制剤を飲むタイミングを確認し、成田と関西空港へ行き先が分かれる乗り換えのドバイで、解散のミーティングを行いました。
7月3日午後18時ごろ、日本チームは成田国際空港、関西国際空港に無事帰国しました。

帰国


次回、第22回世界移植者スポーツ大会は、2年後(2019年)、ニューキャッスル ゲーツヘッド(イギリス)にて開催されます。


◎この記事は、丸井先生の大会報告を編集部の方で一部抜粋して作成しました。全文は、丸井祐二先生の World Transplant Game in Spain, Malaga 2017 story をご確認ください!




■大会の様子はこちらからもご確認いただけます!
世界移植者スポーツ大会ブログ日本移植者スポーツ協会 facebook


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