トップページ  >  移植コラム  >  栄養士コラム  >  腎移植前後の食事管理 第2回  北里大学病院栄養部 管理栄養士 吉田 朋子先生

吉田 朋子先生 コラム

 腎移植前後の皆さんが気になる食事管理について、北里大学病院栄養部 管理栄養士 吉田朋子先生にご解説を頂くシリーズの第2回目です。
 第2回目の今回は、腎移植後の減塩についてご解説頂きます。


~シリーズ 腎移植前後の栄養管理(掲載内容)~
第1回 腎移植後の食事管理【概論】
第2回 腎移植後の減塩(今回)
第3回 腎移植後の食事の注意点
第4回 腎移植後の食事管理(腎機能別)
第5回 腎移植前の食事管理
第6回 腎移植前後の食事管理【まとめ】



腎移植前後の食事管理 第2回 腎移植後の減塩 ~北里大学病院栄養部 管理栄養士 吉田 朋子先生~



◆調味料の減塩のポイント!


① 調味料の使う量に注意する
② うすあじで調理する
③ 調味料は「かける」より「つける」と減塩できます。


【例】


↑クリックすると大きい画像が出ます

① 調味料の使う量に注意する:
お浸しにかける醤油の量をかけすぎてはいませんか?無造作に醤油をかけると小さじ1位かかり、塩分は0.9gになります。無造作にかけるのではなく、少なめに使って味が薄すぎたら足しましょう。



↑クリックすると大きい画像が出ます

② うすあじで調理する:
だしなどをきかせ、煮物などの味付けをうすあじにしましょう。だしをきかせることで、うすあじでも美味しい煮物が作ることが出来ます。便利な顆粒だしには塩分が入っています。最近では、食塩不使用のだしパックなども購入できます。


③ 調味料は「かける」より「つける」:
とんかつを食べる際にソースをかけてしまうと、衣にまでソースがしみて、意外にたっぷりソースを使っています。しかしソースを小皿にとり、とんかつをつけて食べる、この際にソースを全体につけるのではなく、とんかつの一部にちょっとつける程度にします。

その他 :
減塩タイプの調味料はスーパーなどでも購入できます。メーカーにもよりますが、おおよそ1/2から1/3位の塩分を減らしているものが多いと思われます。減塩タイプの調味料に切り替えることも1つの方法です。



◆麺類や汁物の減塩のポイント!



↑クリックすると大きい画像が出ます

 麺類は1人分で1日分の塩分がとれるほど塩分の多い料理です。温かいうどんやそばは、麺も食べて汁まですべて飲むと6g以上の塩分をとります。汁をつけて食べる冷たいうどんやそば、そうめんは3.5g以上、ラーメンではメンマやチャーシューなどの加工品にも塩分があるので8g以上になります。麺類の塩分の控えるコツは、麺だけ食べて汁を飲まないことです。これで塩分を半分程度に減らすことができます。もちろん麺類の頻度はできるだけ減らすことも大切ですが、実際にはなかなか難しいことです。まず麺類の汁を残す習慣をつけましょう。
 味噌汁やすまし汁、スープ類などの塩分は1.5g以上です。毎食味噌汁などの汁物を飲むことは、塩分を摂りすぎてしまう原因となります。汁物類をまずやめることは減塩の近道ですが、どうしても飲みたい場合には、具たくさんにして汁を残しましょう。また一緒に食べる料理の味付けはうすあじにしましょう。




◆加工食品・漬物の減塩のポイント!


↑クリックすると大きい画像が出ます

 パンや干物、ハムやちくわなどの練り製品などには加工する段階で塩分が含まれています。調理の工夫で塩分を減らすことはできませんので、食べる量や頻度に注意します。あじの干物は生のあじを購入し、うすあじに調理すれば、同じあじの料理でも塩分を大幅に減ります。
漬物は塩分の多い食品です。漬け物を食べる習慣を止めるだけでも、かなりの減塩ができます。



↑クリックすると大きい画像が出ます




 加工食品の栄養成分表示には、ナトリウムが記載されているものをみかけると思います。ナトリウム量=塩分量ではありません。上に示すような式で換算する必要があります。ナトリウムmgに2.54をかけて1000で割ります。簡易的には、ナトリウムmgを400で割ることでも計算できます。加工食品のナトリウム量はmgで記載しているものが多いですが、写真のように塩分が多いものはナトリウムをgで表示している場合があります。換算の時は単位に気をつけましょう。


例)ナトリウム800mgの場合
800mg×2.54÷1000=2.0
簡易的には、800÷400=2.0


右下の表はナトリウムと食塩相当量の表になります。加工食品を購入する際には、是非栄養成分表示をみる習慣をつけ、塩分がどのくらい含まれているのかを確認しましょう。



◆外食や市販料理の減塩ポイント!


 市販弁当の場合には、梅干しは残す、ソースや醤油はかけないだけでも塩分は2g以上減ります。栄養成分表示がでている場合があるので確認して塩分を減らす方法を考えるとよいでしょう。定食を食べる場合も、漬物や味噌汁は残す、とんかつや焼き魚などには下味がついているので、ソースや醤油はかけずに食べると塩分は2g以上減らすことができます。外食は、誰にでも美味しく食べてもらうために、料理の味付けが濃い傾向があります。外食を食べないという生活をすることは難しいため、どのように調整すれば減塩できるのか考えて食べるとよいでしょう。



◆1日の塩分の調整方法



↑クリックすると大きい画像が出ます

 慢性腎臓病の方は1日の塩分は6g未満を目標とします。その場合には、1食につき2g程度を目安にするとイメージしやすいと思います。
 例えば、普段の食事は、朝食の塩分を1.8g、昼食を2g、夕食を2gとして1日合計5.8gとします。外食などで塩分が多くなってしまったら、他の食事の塩分を控えて調整します。朝食は1.8gで普段の食事と同じですが、昼食に外食でカレーライスを食べて塩分が3gとなったとします。昼食で1gオーバーした分、夕食はいつもより塩分を控えて1gで食べるようにしましょう。これで1日の塩分は普段と同じ5.8gです。このように、塩分を摂りすぎたと思ったら、次の食事の塩分をいつもより控える、外食の予定がわかっている場合には朝食の塩分をいつもより控えておくなど工夫するとよいでしょう。



お気に入り記事に登録

吉田 朋子先生 過去のコラム

この記事を見た人が読んでいるのは