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ドクターインタビュー

  • 藤田保健衛生大学病院 臓器移植科 教授 剣持敬先生・移植医療支援室インタビュー

    Chapter1 藤田保健衛生大学病院における臓器移植の状況
    Chapter2 臓器移植科の特長
    Chapter3 今後の取組みと患者さんへのメッセージ

    藤田保健衛生大学病院 臓器移植科 教授 剣持敬先生・移植医療支援室

    藤田保健衛生大学病院は、東海・北陸地区の臓器提供、臓器移植の中心的施設で、腎臓、膵臓、肝臓などの多臓器の移植を実施しています。2012年9月、全国の大学に先駆けて、臓器移植に特化した診療科である「臓器移植科」が開設され、現在は腎移植(生体腎移植、献腎移植)、膵臓移植(脳死膵臓移植)、肝臓移植(生体肝移植)が行われています。また、2016年4月には藤田保健衛生大学大学院保健学研究科に「臓器移植コーディネート分野」が開設され、日本を代表する臓器移植センターを目指して発展を続けています。
    臓器移植科 教授の剣持敬先生と臓器移植科の医師、移植医療支援室のスタッフの方々に、藤田保健衛生大学病院における臓器移植への取組みと、今後の展開についてお聞きしました。

    取材日:2017/02/22

今回インタビューさせていただいた、藤田保健衛生大学病院 臓器移植科、移植医療支援室の皆さん
■医師
剣持敬先生、伊藤泰平先生、會田直弘先生
■ドナーコーディネーター
西山幸枝さん(看護部、院内コーディネーター、認定組織移植コーディネーター、愛知県臓器移植コーディネーター)
纐纈一枝さん(看護部、院内コーディネーター)
■レシピエントコーディネーター
林未佳子さん(看護部、レシピエント移植コーディネーター 膵臓・腎臓)
渡邉美佳さん(看護部、レシピエント移植コーディネーター 肝臓)


移植チーム


藤田保健衛生大学病院における臓器移植の状況


-----まず、こちらの病院における臓器移植の状況について教えてください。

剣持先生
腎移植を年間20~30件(膵腎同時移植を含む)行い、膵臓移植は約10件行っています。また臓器提供推進活動も行っており、愛知県の2015年の臓器提供者数11件は、日本の各県の中で一番多い件数でした。

-----ドナーコーディネーターの西山さんからみて、ここ数年の臓器提供側の変化はありますか。

西山さん

西山さん(看護部、院内コーディネーター)
ここ数年はあまり変化がない印象ですが、全国的にも提供数が非常に少なかった2013~2014年のような状況は脱していると思います。提供数は年によって変動がありますが、特別増加している印象もありませんので、今後も啓発活動を継続し、少しでも提供数が増えるお手伝いをしたいと考えています。


-----生体腎移植の状況はいかがでしょうか。

剣持先生
院内の腎臓内科の先生からの患者さんの紹介も多いため、生体腎移植件数は以前より増えています。


林さん(看護部、レシピエント移植コーディネーター 膵臓・腎臓)
臓器移植科が開設される前は、患者さんへ腎代替療法の説明をする際は、透析の認定看護師さんが、移植も含めた3つの治療法について説明していましたが、現在は、移植に関しては私が説明させていただいています。

-----やはり、レシピエント移植コーディネーターの方が話をすることによって、患者さんの移植に対する捉え方も変わりますか。

林さん

林さん
捉え方が変わるかは分かりませんが、透析の認定看護師さんがお話しされるよりは、移植に関する多くの情報提供ができますし、それぞれの治療法についてより詳しく知ることは、患者さんにとってもメリットのあることだと思います。実際、詳しく移植の説明を受けたことによって理解が深まり、移植手術に至った患者さんもいらっしゃいます。


剣持先生
林さんはとても熱意をもってお話ししてくれるので、移植に対して前向きに考えるようになる患者さんも多いと思います。

-----最近の生体腎移植の傾向は何かありますか。

剣持先生

剣持先生
患者さんの高齢化、ABO血液型不適合移植や夫婦間移植が多い点などは、全国の傾向と変わりません。また、これも全国の傾向と同じですが、当院でも透析導入前の移植(先行的腎移植)が全腎移植件数の半数近くになっています。

-----膵臓移植の状況はどうですか。

剣持先生
全国の脳死膵臓移植件数は毎年30~40件程度ですが、そのうちの約10件を当院で行っています。膵臓移植の成績もとても良いので、脳死後の提供を増やすことによって、膵臓移植件数を増やしていきたいと考えています。


-----剣持先生は以前いらっしゃった病院で生体膵臓移植も行われていましたが、こちらの病院でも行っているのですか。

剣持先生
当院では行っておりません。以前(の病院で)は行ったこともありますが、ドナーの侵襲が大きいので、できれば脳死後の提供で行っていきたいと考えています。
献腎移植の待機期間は現在成人で約16年で、長期間待っても機会が回ってこない人もおり、海外と比べても惨憺たる状況ですが、膵臓移植の場合は2~3年、早い人は1年以内に移植の機会が回ってきます。

-----現在、腎移植、膵移植手術は、どのような体制で行っているのですか。

剣持先生
伊藤先生が中心となって行っておりますが、特に脳死後の提供による腎臓、膵臓移植の場合は、摘出手術など、当科の3名の医師だけでは対応できませんので、実務者委員会(全国の移植実施認定施設の医師で構成されている委員会)から医師に手伝いにきてもらっています。 移植手術についても、腎臓も膵臓も行いますので、そのまま実務者委員会の医師が当院で一緒に手術を行うことが多いです。
患者さんの術後の管理は、当科の医師で行いますが、林コーディネーターや病棟の看護師さんなどのメディカルスタッフの協力があって成り立っています。

-----肝移植は現在どのくらい行われていますか。

渡邉さん

渡邉さん(看護部、レシピエント移植コーディネーター 肝臓)
年間4~5件くらいの生体肝移植手術を行っており、小児の移植も多いです。肝臓移植は、小児外科と総合消化器外科で行っています。



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