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薬剤師コラム

腎移植後は、移植された腎臓を良い状態で長く保つために、『薬を正しく飲み続ける』ことがとても大切です。医師や薬剤師から、薬の飲み方や、飲み合わせについて話を聞く機会も多いと思います。
MediPressでは、適切な薬の飲み方や、免疫抑制剤と飲み合わせの良くない薬などについて、腎移植フォローセンター 余丁町クリニック 薬剤師の堀内淳子先生にご解説いただき、シリーズでお届けしていきたいと思います。

まず、薬とはどういうものかという薬の基本を、Part1とPart2に分けてご説明いただきます。今回お届けするPart1では、体内での薬の流れと、薬とはどんな特徴を持ってできているのかについてご解説いただきます。これを理解しておくと、この後に出てくる具体的な薬の飲み合わせなどの話が理解しやすくなります。



薬を正しく飲み続けるために【1】~薬について Part1~
腎移植フォローセンター 余丁町クリニック 薬剤師 堀内淳子先生


◎体内での薬の流れを大まかに見てみましょう

口から服用する薬の多くは、服用した後、次のような過程を経て、体外に出ていきます。

薬の代謝



◎次に薬の性質を見てみましょう

薬物は、まず体内の水に溶けること、そして消化管(主に小腸)をはじめ各細胞の膜(※1)を通過できることが必要です。そのために水に溶ける水溶性の性質と、生体膜を通過できる脂溶性の性質を持つようつくられています。
※1 生体膜といって、脂質の2重層でできています。水溶性のものは通しにくく、脂溶性のものを通しやすいという性質を持ちます。

水に溶けた薬物は、水中でイオン(※2)型になっているものと、そうでないもの(分子型と言います)とが平衡状態(釣り合いがとれて一定を保っている状態)で存在しています。分子型の薬物の方が、脂溶性が高く吸収されやすい性質になります。
※2 イオンとは別名で電解質と言い、水に溶けると+や-の電荷を持ち、電気を通す性質を持ちます。

吸収され血液中に入った薬物は、血漿タンパク(主にアルブミン)というタンパク質に結合した結合型薬物と、タンパクに結合していない遊離型薬物が平衡状態で存在しています。タンパクに結合した薬物はその大きさのために、血液中から組織に移行することができません。つまり、遊離型薬物だけが組織に移行し、薬としての効果を発揮することになります。

体外への排泄には、先ほどの水溶性・脂溶性の程度の違いから、肝臓で代謝を受けて排泄される薬物、肝臓での代謝を受けずそのままの形で腎臓から排泄される薬物、その両方を併せ持つ薬物があります。

少しややこしい薬の性質をみてみましたが、これらの性質を変化させるような体の変化や併用薬があると、薬の作用の強弱を変えたり、さまざまな相互作用を起こしたりします。


次回は 『~薬について part2~』 として、薬の作用や相互作用に大きく関わる代謝と排泄について解説いたします。


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