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レシピエントインタビュー

東京医科大学八王子医療センター レシピエントインタビュー Vol.1

高橋実穂さん × 東京医科大学八王子医療センター 岩本整先生、木原優先生

宝物を授かって

移植後、ドナーであるお父様に対しては何か特別にイベント等は行っていますか。

高橋さん
毎年、移植した日には、メールで、「ありがとう」と伝えています。父からは、「お互い頑張ろうな」というような返信がきますね。移植後10年たったら、家族でお祝いしようと話しています。

移植をしてから一番良かったこと、うれしかったことはどのようなことですか。

家族と一緒に

高橋さん
やはり、結婚と出産ができたことです。20歳の時に総合病院を受診した際、担当医師から、「もう、結婚も出産も諦めてくださいね」と言われたことがとてもショックで、移植するまでは自分でも諦めていました。でも、現在は優しくて心配性の主人と、2人のかわいい子どもに恵まれて、とても幸せです。


お子さんは、移植の何年後に出産されたのですか。

高橋さん
先生から、「妊娠する場合は移植後2年たってから」と言われていましたので、計画的に妊娠、出産しました。移植の1年後に結婚して、その2年後に第一子を出産しました。

木原先生、こちらの病院では移植後、女性患者さんが妊娠を希望される際には、どのようなお話をしていらっしゃるのですか。

木原先生

木原先生
当院では、移植後2年たって、腎機能が良好(クレアチニン値が2mg/dl以下)で、蛋白尿がないなどの条件を満たせば、妊娠を許可しています。女性の腎移植患者さんが妊娠を希望される場合は、免疫抑制剤などの薬を変更しますので、必ず事前に相談していただくようにお話ししています。


妊娠中は、特別に気を付けていたことはありますか。

高橋さん
ひどい貧血だったので、食事には気を付けていました。妊娠8カ月のころには、貧血対策で、毎日鉄剤の注射を打ちに通院していました。
また、1人目の妊娠の時には、大事を取って、仕事を早くに辞めました。後から考えれば、辞めることはなかったと思いましたので、2人目の出産の時には産休に入るまでずっと働き、現在も育児休暇中です。今度は絶対に辞めません(笑)。

妊娠、出産で腎機能への影響はありましたか。

高橋さん
妊娠後期には少しクレアチニン値が上がることはありましたが、2人目を出産後の現在は落ち着いていて、1.1〜1.2mg/dlぐらいの間を維持しています。


岩本先生
妊娠、出産によって腎機能が少し影響を受け、クレアチニン値が1〜2割上がる人はいらっしゃいます。1.0mg/dlだった人が、1.2mg/dlになるという感じです。

移植後の日常生活では、移植腎のために特にどのようなことに気を付けて生活をしていますか。

高橋さん
水分をなるべくしっかり取り、疲れたら横になるようにしています。また、薬は携帯電話のアラームをセットして、飲み忘れを防いでいます。

今後の夢はありますか。

高橋さん
夢は、子どもたちが大きくなるまで元気でいることです。


かわいい2人の子どもと


感謝とメッセージ

岩本先生にお伝えしたいことはありますか。

高橋さん
現在の主治医である岩本先生は、いつもとても話しやすく、妊娠中も私が不安になるようなことはおっしゃらず、ずっと見守っていてくださいました。本当に感謝しています。

ドナーであるお父様への思いを教えてください。

高橋さん
父がいるからこそ今の私があるので、とにかく感謝しています。お互いが元気でいることが一番だと思っています。父にはとにかく長生きをしてほしいですね。

現在、移植手術を控えている、または移植手術を検討しているレシピエントやドナーの方へメッセージをお願いします。

高橋さん
特に若い方は、もし、ドナーとなっていただける方がいらっしゃるのであれば、移植を受けて人生を楽しんでほしいと思います。術後しばらくは、つらく、きついこともあると思いますが、移植によって生活の質は格段に上がると思います。時間も自由に使えるようになり、仕事も思い切りできますしね。
私は、20代はずっと透析を受けていましたので、頑張りすぎるとすごく疲れたり、具合が悪くなったりしていました。逆に、移植後の30代は、子育ても仕事も忙しいですが、元気に大変充実した毎日を過ごすことができています。自分の経験から考えても、特に若い方は早めに移植をして、さまざまな可能性に挑戦できる環境を得ていただきたいと思います。

先生から、妊娠・出産を考えている女性の腎不全患者さんにメッセージをお願いします。

木原先生
最近は、透析患者さんでも、妊娠・出産される方はいらっしゃいますので、透析を受けていると絶対に妊娠できないという時代ではありませんが、透析患者さんの妊娠・出産は、さまざまな問題が起こりやすく、簡単ではありません。
腎移植後は、透析中と比較して、まず、ご本人の生存率が上がり、さらに妊娠・出産できる確率も高くなりますので、もしドナーとなっていただける方がいらっしゃるのであれば、ぜひ移植を検討していただければと思います。


集合写真

岩本先生
切実に妊娠・出産を希望されている女性の腎不全患者さんにとっては、腎移植は大変メリットのある治療法だと思います。もちろん、移植を受けていない普通の人に比べると、妊娠・出産へのハードルはありますが、積極的に検討していただく価値はあると思います。


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