九州大学病院

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九州大学病院 胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科 インタビュー

九州大学病院では、2019年8月末までに1,096例の腎移植が行われています。胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科の岡部安博先生と加来啓三先生に、九州大学病院における腎移植医療の特色についてお聞きしました。(取材日:2019年10月31日)

膵臓移植・腎臓移植外科の特色

膵臓移植・腎臓移植外科における移植医療の特色についてお聞かせください。

岡部先生

岡部 安博先生

岡部先生:
九州・沖縄エリアでは、毎年210~230例の腎移植が行われていますが、当科においては年間70~80例の生体腎移植と、加えて献腎移植と膵臓移植を行っています。当科の特色としては、まず、末期腎不全患者さんに対する移植医療(腎移植、膵臓移植、膵腎同時移植、小児腎移植)のすべてに対応ができるという点があげられます。
また、将来の移植医療を担う次世代の医師を継続的に輩出していることも特色の1つです。当科は腎臓・膵臓移植医の教育機関としての役割も持っており、毎年移植医を志す医師が入局してきます。当科ではレシピエントやドナーが安心して手術を受けられるように、常にチーム全体のレベル向上に努め、特定の医師だけが手術を行うのではなく、皆で手術を行うようにしています。熟練した移植医が増えれば、さらに移植手術数を増やすことができ、多くの腎不全患者さんに移植医療を届けることができます。10~20年後の腎移植医療を見据え、人材育成に力を入れ、近隣の医療機関からも頼りにされ続ける存在を目指して努力を続けています。

膵臓移植は年間何例くらい行われていますか。

加来先生:
膵移植は、糖尿病専門医の治療によってもなお、血糖コントロールが難しい1型糖尿病の患者さんが対象です。日本全国における膵臓・膵腎同時移植数は年間35~45例程度ですが、当院では年間10例程度の膵臓移植を行っており、直近2年の膵臓移植数は全国1位となっています。膵腎移植には、膵腎同時移植と、先に腎移植を受けてその後膵臓移植をする腎移植後膵臓移植があります。当院の膵臓移植の8割が膵腎同時移植となっています。膵臓・膵腎同時移植の移植前までの平均待機期間は約3年5カ月※となっており、献腎移植の平均待機期間、約14年7カ月※と大きく異なります。
※公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク NEWS LETTER Vol.22 2018

小児腎移植についてはどうでしょうか。

加来先生

加来 啓三先生

加来先生:
小児腎移植は年間5例程度行っています。九州エリアにおいては、小児腎移植が行える施設は限られていますので、小児腎不全患者さんとそのご家族が、安心して移植手術を受けられるよう、小児科と共に万全の体制を整えています。移植手術は当科の医師が行いますが、移植前後の管理は、外科的な対応を除いて小児科の医師が担当しています。

こちらでは、2017年は14例、2018年は10例の献腎移植を行っていらっしゃいますが、臓器提供推進については、どのような取組みをされていますか。

岡部先生:
腎移植は本来であれば、献腎移植(ドナーの崇高な善意による臓器提供)によって成り立つべき医療です。小児腎移植を例にあげると、現在、日本で献腎移植の待機者となっている小児末期腎不全患者さんは年間100人くらいです。亡くなった方からの臓器提供があと50人増えれば、日本の小児末期腎不全患者さんをすべて救える可能性があります(腎臓は2つあるため、100人の小児の待機患者に臓器提供される可能性がある)。現在は、腎臓移植希望者(レシピエント)の選択基準において、ドナーが20歳未満の場合は、20歳未満のレシピエントが優先されるようになりましたので、移植待機期間が1~2年の小児の患者さんに少しずつ移植の機会がまわってくるようになりました。臓器提供数が増えれば、小児の末期腎不全患者さんを今よりも更に救える可能性が出てきます。当院では臓器移植、臓器提供を推進する取組みにも力を入れており、臓器提供を行う際の院内のシステムができあがっています。当院や福岡県内での臓器提供を増やし、全国的な臓器提供推進の動きにも影響を与えていければと思っています。
臓器提供推進は、提供したくない人に無理に提供をお願いするということではなく、”提供したい“という人の気持ちを尊重するだけです。臓器提供推進活動というと、頭を下げて臓器提供をお願いする活動と勘違いしている人がいらっしゃいますが、そうではないということを知っていただきたいです。内閣府の調査(平成29年)でも、国民の12.7%は臓器提供の意思表示をしているという結果が出ています。“提供したい”という人の意思を守ることも、我々の仕事だと思います。

生体腎移植を受けられる患者さんの最近の傾向について教えてください。

加来先生:
全国の傾向と同様に、夫婦間移植(高齢の夫婦間移植を含む)やABO血液型不適合移植、透析を経ない先行的腎移植が増えています。先行的腎移植は、当院における腎移植の半数以上を占めています。移植を希望される患者さんは、当院の腎臓内科はもちろんのこと、近隣の医療機関の腎臓内科などから当院を紹介され、受診されます。当科では、長年にわたり近隣の腎臓内科との連携構築をしてきましたので、現在ではCKDステージ(病期)の早い段階で患者さんをご紹介いただくケースが多く、結果として、患者さんは透析導入をすることなく腎移植を受けることが可能になっています。

年間90例近くの移植を行う上では、レシピエント移植コーディネーター(RTC)の存在も非常に重要だと思いますが、RTCはどのような役割をされていますか。

岡部先生:
移植医療は、移植外科医だけでなく、腎臓内科、泌尿器科、小児科、麻酔科などの医師と、レシピエント移植コーディネーター(RTC)をはじめとする多くの医療スタッフのチームワークによって成り立っています。当院のRTCはとても優秀で、移植手術前~移植手術後の患者さんとそのご家族に寄り添い、さまざまなお話をお聞きしながら、患者さんとそのご家族をサポートしてくれます。患者さんも、医師には話しにくいことも、RTCには確認したり相談したりできることが多いようです。また、術前検査などはRTCがスケジュールを組んで手配していますので、我々医師は、入院中の患者さんや移植手術に集中できる環境が整っています。

現在、移植手術はどのような体制で行われていますか。

岡部先生:
移植手術については、5人の移植医で腎移植、膵移植、膵腎同時移植を行っており、手術枠にはまだ余裕があります。腎移植医療は手術手技や免疫抑制薬の発展により、医療として確立されていますので、現在は手術が問題なく終われば、拒絶反応や合併症などの移植後のアクシデントは起こりにくくなっています。

移植後のフォローアップについてはどのように行っていますか。

岡部先生:
現在は、基本的には当科の医師がフォローアップ外来を行っていますが、当院の腎臓内科でフォローアップを行っている患者さんもいらっしゃいます。当院の腎臓内科には移植内科医もおり、若手の腎臓内科医の中にも移植内科医を目指している医師がおりますので、将来的には移植内科医を中心に長期生着を目指したフォローアップを行っていってほしいと思っています。

現在、初診から生体腎移植手術までは期間はどのくらいですか。

加来先生:
患者さんやドナー候補の方、また施設の状況にもよりますが、大体3カ月くらいです。

移植を検討されている患者さんとそのご家族に向けて

加来先生:
まずは、患者さんやそのご家族に、腎移植や膵臓移植、膵腎同時移植という治療法について知っていただきたいと思います。私は九州の人は九州で治してあげたいという思いをもって、日々診療しています。末期腎不全患者さんに対する移植医療のすべてに対応できる当院にご相談いただき、安心して私たちにお任せいただければと思います。

岡部先生:
移植に興味をお持ちであれば、まずは当院にご相談いただきたいと思います。当院のレシピエント移植コーディネーターから、移植に関するさまざまな情報提供をさせていただきます。移植に対する疑問や不安を解消していただき、移植医療について正しく知った上で、治療法を選択してください。当院では移植に関わるさまざまなスタッフが万全の体制で患者さんとそのご家族をお迎えしますので、安心して相談にお越しいただきたいと思います。

移植件数・成績

腎移植件数

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
生体腎移植 82 48 51 70 67
献腎移植 10 5 5 14 10
合計 92 53 56 84 77

生着率

生体腎移植 累計症例数:917例(2019年8月31日時点)

期間 症例数 1年 5年 10年 15年 20年
2000年~2009年 193例 99.5% 94.8% 86.4% 80.4% -
2010年~ 704例 98.9% 95.8% 90.5% - -

献腎移植 累計症例数:179例(2019年8月31日時点)

期間 症例数 1年 5年 10年 15年 20年
2000年~2009年 77例 97.4% 86.7% 75.9% 75.9% -
2010年~ 82例 98.8% 95.0% 95.0% - -

移植チーム紹介

移植チーム 写真

胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科

  • 岡部 安博
  • 野口 浩司
  • 加来 啓三
  • 目井 孝典
  • 久留 裕

レシピエント移植コーディネーター

  • 小川 智子
  • 津々浦 康

移植メディカルアシスタント

  • 小川 慶歌

受診について

生体腎移植希望の方

腎移植についてのご相談は「移植対策室」で対応しています。

お問い合わせ先

胆道・膵臓・膵臓移植・腎臓移植外科

092-641-1151(代表)

「移植対策室」への取り次ぎをご依頼ください。

担当:レシピエント移植コーディネーター

【受付時間】9:00~17:00

受診の方法

初診のご予約は、予約センタ―で医療機関様より承っております。主治医の先生に紹介状を依頼し、「初診予約申込書(九州大学病院HPからダウンロード)」及び「紹介状」を医療機関様からFAXでお送りください。
◇予約センター(FAX:092-642-5509 TEL:092-642-5508 受付時間:9:00~17:00)

外来受診時の注意点

外来には、なるべくドナー候補の方と一緒にお越しください。

献腎移植希望の方

腎移植についてのご相談は「移植対策室」で対応しています。

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担当:レシピエント移植コーディネーター

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