東京医科大学八王子医療センター
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腎臓病センター 腎臓外科
担当者:池田(レシピエント移植コーディネーター)
東京医科大学八王子医療センター 腎臓病センター 腎臓外科インタビュー
東京医科大学八王子医療センターでは、1974年に第1例目の腎移植が行われてから、これまでに750例以上(2024年1月時点)の腎移植が行われています。
腎臓病センター 腎臓外科の岩本整先生、今野理先生、池田千絵レシピエント移植コーディネーターに、東京医科大学八王子医療センターにおける腎移植医療の特色についてお聞きしました。(取材日:2019年6月18日)
腎臓病センターの特色
腎臓病センターにおける腎移植の特色についてお聞かせください。
岩本先生:
当院は「ホスピタリティにあふれ、日本最高水準の医療を提供する病院となる」というビジョンを掲げており、それを実現するためのスローガンの1つとして、3つの「ダントツ医療」を掲げています。3つの「ダントツ医療」とは、救急医療、移植医療、がん治療であり、スローガンには、その分野で地域の人々に貢献するという意味が込められています。「ダントツ医療」の1つである移植医療においては、当院は多摩地区唯一の成人腎移植実施施設であり、東京都では2箇所のみである膵臓移植実施施設の1つでもあります。
また、当院は救急救命センターの、「亡くなりゆく患者の臓器提供という権利を守る」というポリシーにより、脳死下の臓器提供数が全国で最も多くなっています。
移植医療の普及啓発活動についても、レシピエント移植コーディネーターを中心に積極的に取り組んでおり、透析患者会や、東京ヴェルディとの共同企画による啓発キャンペーンなどを定期的に実施しています。
2017年4月に腎臓病センターが開設されましたが、センターができたことにより腎臓病の診療体制はどのように変わりましたか。
岩本先生:
近年、腎臓病治療に一層の専門的知識が求められるようになってきており、内科、外科の垣根を超えた診療体制の整備が必要になってきています。そのため、当院では、幅広い病態を示す腎臓病に対して、内科医と外科医が相互に補完し、総合的な対応ができるよう、2017年4月に腎臓病センターを開設しました。内科、外科が融合した腎臓病センターは全国的にもあまり例がなく、また臓器移植に特化した診療科も数多くありません。
腎臓病センターが開設されたことにより、腎臓内科医と腎臓外科医の併診が可能になりましたので、腎臓病の保存期は腎臓内科医が診察し、末期腎不全となってしまった場合には腎臓外科医が併診しながら、腎移植手術やバスキュラーアクセス(シャント)作製、腹膜透析カテーテル挿入などに対応しています。腎不全患者さんにとっては、腎移植後や透析導入後も主治医がずっと変わらないので、安心して診察を受けられる環境が整っています。
今野先生:
腎移植医療においては、腎臓外科医、腎臓内科医、レシピエント移植コーディネーター、看護師、薬剤師、管理栄養士などが移植チームとして患者さんやそのご家族を全面的にサポートしています。移植患者さんに特化したカンファレンスを毎週実施しており、1人1人の患者さんに、より適切な治療が提供できるようディスカッションを重ねています。
また、対外的な取り組みとしては、地域の腎臓内科や透析施設の看護師さんに対し、腎移植についての勉強会などを行っています。そして患者さんを紹介して頂いた施設に対しては、移植後の患者さんの状況を丁寧にフィードバックするなど、近隣医療機関との連携を強化し、地域全体で腎臓病に対して総合的に対応可能な体制の確立を目指しています。
腎移植後のフォローアップはどのような体制で行われていますか。
今野先生:
レシピエントの高血圧や糖尿病、脂質異常症などの管理については腎臓内科医が、移植腎生検や免疫抑制薬の調整など関しては腎臓外科医が診ています。移植後も内科と外科が併診することにより、移植腎の長期生着にも寄与すると考えています。
腎提供後のドナーについては、術後1年間は数カ月毎、術後1年以降は年1回程度来院していただいて、腎機能のチェックを行っています。
また、患者さんは術前だけでなく術後も、気軽にレシピエント移植コーディネーターに相談できる体制ができていますので、患者さんにとって非常に安心感があると思います。
腎移植の相談で初めてこちらを受診する場合の流れについて教えてください。
池田レシピエント移植コーディネーター(RTC):
まずは、当院の代表電話042-665-5611またはEmail:kts@tokyo-med.ac.jp に、私宛にご連絡ください。来院日時の調整をさせていただきます。紹介状の有無は問いませんので、お気軽にご相談いただければと思います。
外来では、腎臓外科の医師と私でじっくりとお話を伺わせていただき、患者さんの状況に応じた今後の診療の進め方などをご説明させていただきます。
現在通院中の患者さんはどのエリアから来ている方が多いですか。
池田RTC:
多摩地区の方が多いですが、埼玉県や神奈川県、山梨県などから通院している患者さんもいらっしゃいます。
現在、初診から生体腎移植手術までの期間はどのくらいでしょうか。
池田RTC:
患者さんやドナー候補の方、また施設の状況により異なりますが、大体3~6カ月です。
移植を検討されている患者さんとそのご家族に向けて
岩本先生:
脳死下、心停止下の臓器提供がなかなか進まない日本においては、夫婦間や親子間における生体腎移植が主流となっていますが、腎移植後の成績はとても良好で、移植後、多くの患者さんのQOLが向上しています。
我々は、移植医療はもっと普及されるべき医療だと考え、日々の診療や、医療連携を通じて、腎移植を推進する取組みを行っています。末期腎不全の治療選択において、少しでも疑問に思うこと、聞きたいことがありましたら、ぜひお気軽に当センターにご相談いただければと思います。
今野先生:
末期腎不全の治療選択において、主治医から腎移植の話を聞かなかったとおっしゃる方がまだまだ多いです。近年、腎移植は免疫抑制薬の進歩などにより、以前は移植が難しかった患者さんでも移植が可能となり、治療成績も向上しています。腎移植は、多くの末期腎不全患者さんが検討できる治療法となっていますので、まずは移植施設に問い合わせていただきたいと思います。
池田RTC:
これまでに腎移植をされた患者さんの中には、もう少し早く受診していれば、透析を経ずに移植を行うことができたのに、という方がおられました。腎不全についての知識が無い中で突然透析導入になると、心の準備が追いつかず、生活面の調整も大変で、結果的にご自身に合った腎代替療法の選択ができないということに繋がりかねません。CKDステージの早めの段階で受診していただければ、ご自身に合った腎代替療法の選択ができます。腎移植を希望されなくても構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。
移植件数
腎移植件数
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
生体腎移植 | 26 | 27 | 24 | 25 | 23 |
献腎移植 | 3 | 1 | 5 | 3 | 3 |
合計 | 29 | 28 | 29 | 28 | 26 |
移植チーム紹介
腎臓外科 医師
- 岩本 整
- 今野 理
- 赤司 勲
- 沖原 正章
- 木村 信
腎臓内科 医師
- 尾田 高志
- 山田 宗治
- 山田 斎毅
レシピエント移植コーディネーター
- 池田 千絵
薬剤師
- 中野 裕貴
管理栄養士
- 和田 茜
- 古畑 英吾
東京医科大学病院薬剤部
- 竹内 裕紀
受診について
生体腎移植希望の方
腎移植についてのご相談は「移植相談外来」または「腎臓外科の一般外来」で対応しています。
- お問い合わせ先
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腎臓病センター 腎臓外科
042-665-5611(代)
担当者:池田(レシピエント移植コーディネーター)
【受付時間】9:00~17:00
受診の方法
レシピエント移植コーディネーターの池田までお電話またはメールにてご連絡ください。来院日時の予約を行います。
紹介状の有無は問いません。
外来受診時の注意点
相談時は、なるべくドナー候補や代諾者の方と一緒にお越しください。
ドナー候補の方が遠方にお住まいの場合はご相談ください。
献腎移植希望の方
腎移植についてのご相談は「移植相談外来」または「腎臓外科の一般外来」で対応しています。
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腎臓病センター 腎臓外科
042-665-5611(代)
担当者:池田(レシピエント移植コーディネーター)
【受付時間】9:00〜17:00
受診の方法
主治医(腎臓内科医や透析医)から移植施設への紹介状を書いてもらってください。
レシピエント移植コーディネーターの池田までお電話またはメールにてご連絡ください。来院日時の予約を行います。