大阪医科大学附属病院

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大阪医科大学附属病院 腎泌尿器外科 インタビュー

大阪医科大学附属病院 腎泌尿器外科では、2013年に「腎不全・腎移植総合管理センター」を開設し、トータル・リーナル・ケア(全人的・包括的腎疾患治療)の概念に基づいて、慢性腎臓病の患者さんに対し、最適な治療を提供しています。腎泌尿器外科の東治人先生、平野一先生、柳田咲也香レシピエント移植コーディネーターに、大阪医科大学附属病院における腎移植医療の特色についてお聞きしました。(取材日:2019年11月28日)

腎不全・腎移植総合管理センターの特色

腎泌尿器外科における腎移植医療の特色についてお聞かせください。

東先生:
当院における腎移植医療、透析医療は長い歴史がありますが、当科で2013年に「腎不全・腎移植総合管理センター」を開設し、腎移植医療・透析医療を、同じ医師とスタッフが1つのチームとしてみるようになった点は、当院の腎不全医療の大きな特長と言えます。

腎不全・腎移植総合管理センターを開設された目的をお聞かせください。

東先生

東 治人先生

東先生:
現在、末期腎不全患者さんが腎代替療法(腎移植、血液透析、腹膜透析)を選択する際に、すべての治療法の情報をきちんと知り、すべての治療法を受けることができる施設は多くありません。また、透析と腎移植を別の科で行っている施設の場合は、透析患者さんが腎移植について知りたいと思った際に、正確で詳しい情報を得ることが難しいこともあり、透析導入後の腎移植へのハードルが非常に高くなってしまっています。
私はトータル・リーナル・ケア(全人的・包括的腎疾患治療)の考え方を以前から持っていましたが、腎臓内科医である平野先生が腎泌尿器外科に来られてから、その概念を発展させ、具現化し、慢性腎不全の管理、血液透析・腹膜透析導入、腎移植手術などを1つのところで専門に行える組織として、腎不全・腎移植総合管理センターを開設しました。当センターでは、慢性腎臓病(CKD)の保存療法から血液透析、腹膜透析、腎移植のすべての腎代替療法を行うことができます。センターを開設し、体制が整ってからは、大体月1件のペースで腎移植を行っています。

こちらでは、腎代替療法選択における腹膜透析(PD)選択の割合も多いとお聞きしました。

東先生:
末期腎不全の治療選択において、根治療法である腎移植が選択できればよいですが、日本における献腎移植の待機期間は非常に長いですし、生体腎移植ではドナーとなって頂ける方が必要ですので、腎移植を選択することが難しいケースもあると思います。腎移植が受けられない場合でも、PDの場合は、食事制限や水分制限が血液透析(HD)に比べて緩やかなため、患者さんによっては、HDよりPDを選ぶことで、QOLを改善することができます。平野先生が来られてからは、PDの長所を伸ばし、弱点を抑えた多くの工夫を凝らされたこともあり、PD導入患者も非常に増えました。PDを積極的に行っている点も当センターの特長だと思います。

平野先生:
当院では、現在50名ほどのPD患者さんがいらっしゃいます。大阪でも1番か2番くらいに患者数が多いと思います。PD患者さんは全国でも9000人ほどしかいらっしゃいません。当センターでは、豊富な知識と経験を持った医師、スタッフが、患者さんの状態に応じた透析の設定を行い、患者さんの生活パターンに合わせて、PDとHDを併用するなど、それぞれの患者さんに最適な透析医療を提供しています。

腎不全・腎移植総合管理センターは、どのようなメンバーで構成されているのですか。

東先生:
医師、薬剤師、レシピエント移植コーディネーター、看護師、管理栄養士、臨床工学技士、医事課スタッフ、ケースワーカーなどがチームとなり、透析、腎移植をすべてみています。そのチームで2週間に1回、カンファレンスを行っており、患者さんの治療方針や食事管理などについて話し合っています。そのように多職種が集まり、CKD患者さんの治療のためのミーティングを行っていることも当センターの特長の1つです。

現在、移植相談外来はどのくらいの頻度で行っていますか。

平野先生:
毎週、火曜と木曜、水曜日は隔週で行っています。紹介状が無い場合でも、保険外併用療養費(5,500円)が必要にはなりますが、外来受診は積極的に受け入れております。腎不全の治療選択についてお聞きになりたい方は、まずは相談にお越しいただければと思います。

移植相談外来では実際に移植手術を受けることを決めるまでに、何回くらい面談を行うのでしょうか。

平野先生

平野 一先生

平野先生:
腎臓内科から紹介された場合は、クレアチニン値が4mg/dLくらいの段階で来院されることが多いので、患者さんにもよりますが、10回前後の面談を重ねていくことになります。腎移植、血液透析、腹膜透析のいずれの治療法を選ぶ場合にも、ご家族の協力がないと治療ができませんので、必ずご家族にも一緒に来ていただきます。当院では、CKDステージ(病期)の比較的早い段階で相談にお越しいただく方針を取っております。患者さんが腎移植を選択される場合、透析を経ない先行的腎移植が9割を超えていることも当院の特長です。

移植相談外来ではどのような点に気を付けてお話をされるのですか。

平野先生:
患者さんがご自身の慢性腎臓病について受容する段階を意識して話をしています。受容が早い方は一気に話が進みますが、そうでない方は時間をかけて話を進めていくことになります。どのような方でも、末期腎不全の状態になり、体調が悪くなってから治療選択をしなければならなくなると、治療選択後の具体的な情報(例えばPDは毎日行わなければならない、HDは週3回通う必要がある、腎移植後は決められた通りに毎日免疫抑制薬を飲まなければならない等)が頭に入らないことが多いです。よりよい治療選択をしてもらうためにも、CKDステージの早い段階から話をすることが大切です。
3療法すべてを行っている施設は多くありませんので、充分に時間をかけて患者さんのライフスタイルなどをお聞きし、治療法を説明し、納得感を持って3療法のいずれかの治療を選択していただける点も、当センターの強みだと思います。

レシピエント移植コーディネーター(RTC)は、移植相談外来でどのような話をされるのですか。

柳田Co

柳田 咲也香レシピエント移植コーディネーター

柳田RTC:
移植相談外来では、私ともう1名のRTCが交代で話をさせていただいています。 まずその患者さんが腎不全治療についてどこまで知っているのか、治療に対してどのようなイメージを持っているのかについてお聞きします。ドナーとレシピエントの血液型が違うと移植ができないとか、血が繋がっていないと腎提供ができないとか、いまだに間違った情報を持ったまま相談に来られる方も多いので、そのような誤解を解きつつ、医師から詳しい話を聞いていただくようにしています。
また、医師との面談後も、医師には相談できなかったことを私たちがお聞きし、患者さんの疑問や不安を解消できるようにサポートしています。

平野先生:
腎移植にかかる費用(自己負担)についてもいまだに誤解している方は多いです。当センターでは移植の意志を固められた段階で、医事課のスタッフに腎移植にかかる費用についてすべて説明をしてもらっています。

ドナーのフォローアップについてはどのような点を重視していますか。

平野先生:
生体腎移植においては、生体腎ドナーの腎提供後の健康が何よりも大事なので、術前の検査はもちろん厳密に行いますし、腎提供後のフォローアップ外来についても、半年に1回は受診してもらっています。
また、私は腎臓内科医ですが必ず移植手術に参加しており、ドナーの腎摘出手術の際には、ドナーの腎臓や血管の状態を確認しています。直接自分の目でドナーの方の状態を確認し、術後の管理を徹底して行うようにしています。術後の管理では、ドナーの方も受診のたびに塩分摂取量を測り、その結果に応じて塩分制限をしてもらっています。腎提供後太ってきてしまったドナーの方には、腎臓をもらったレシピエントはもちろんのこと、提供したドナーも、提供後の健康管理をしっかりと行う責任があるということをお話ししています。

柳田RTC:
私もフォローアップ外来では、レシピエント、ドナーいずれに対しても、食事管理と運動管理のお話をしています。食事や運動などの自己管理が徹底できている方は問題ないのですが、できていない方には、受診のたびにその方に応じた注意点をお話ししています。また、レシピエントの残薬管理も行い、長期生着のための自覚を持ってもらうようにしています。

現在、初診から生体腎移植手術までの期間はどのくらいですか。

平野先生:
患者さんやドナー候補の方、また施設の状況にもよりますが、大体3カ月くらいです。

移植を検討されている患者さんとそのご家族に向けて

柳田RTC:
私は、移植前も移植後も、レシピエントやドナーの方とそのご家族の不安を解消できるよう、限られた時間の中ですが、さまざまな情報提供をさせていただきたいと常に思っています。腎移植後のフォローアップ外来の際に、レシピエントやドナーの方から、明るく声をかけていただけると大変うれしいですし、そのような関係性をいつまでも続けていけるよう、丁寧なコミュニケーションを重ねていきたいと思っています。移植を検討されている患者さんとそのご家族は、安心して我々RTCにお声掛けください。

平野先生:
当センターでは、腎移植はもちろんのこと、血液透析、腹膜透析、3つの治療法をしっかりとご説明し、納得していただいた上で、患者さんの状態に適した医療を提供することが可能です。
腎移植を希望されている患者さんとそのご家族は、徹底した術前・術後管理を行う当センターの腎移植チームに安心してお任せいただき、移植に向けて準備を進めていってほしいと思います。

東先生:
チーム医療を推進するためには、チームの協力体制が出来ていること、チーム員の仲がよいことが必要です。当センターはチームの輪が素晴らしく、いろいろな部門の専門家が力を合わせて、それぞれの患者さんに対して最適な治療を最適な状態で提供できる体制を整えています。腎不全治療について話が聞きたい方は、ぜひお気軽に当センターにご相談ください。

移植件数・成績

腎移植件数

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
生体腎移植 11 8 8 10 11
献腎移植 2 0 3 1 1
合計 13 8 11 11 12

生着率

生体腎移植 累計症例数:121例(2019年12月19日時点)

期間 症例数 1年 3年 5年 10年 15年
2013年~2018年 58例 94.2% 94.1% 93.3% - -

移植チーム紹介

移植チーム 写真

腎泌尿器外科

  • 東 治人
  • 能見 勇人
  • 上原 博史
  • 南 幸一郎
  • 前之園 良一
  • 松永 知久
  • 谷口 俊理
  • 藤原 裕也
  • 平野 一(移植内科)

腎臓内科

  • 森 龍彦

レシピエント移植コーディネーター

  • 柳田 咲也香
  • 橋本 綾菜

薬剤師

  • 片岡 憲昭

管理栄養士

  • 西田 豊美

医事課

  • 相場 美希

医療ソーシャルワーカー

  • 出口 尚徳

医療連携室

  • 上田 千鶴

臨床工学技士

  • 有家 礼次

受診について

生体腎移植希望の方

腎移植についてのご相談は「腎不全・腎移植相談外来」で対応しています。

お問い合わせ先

腎泌尿器外科

072−683-1221(代表)

「腎泌尿器外科外来」への取り次ぎをご依頼ください。

担当:平野 一(医師)、柳田 咲也香(レシピエント移植コーディネーター)

【受付時間】14:00~16:00

受診の方法

直接外来で相談したい方は、上記までご連絡ください。
主治医に紹介状を書いていただける場合は、当院医療連携室にFax(072-684-6338)していただき、ご予約ください。(受付時間8:30~20:00)

外来受診時の注意点

紹介状の有無は問いません。

献腎移植希望の方

腎移植についてのご相談は「腎不全・腎移植相談外来」で対応しています。

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担当:平野 一(医師)、柳田 咲也香(レシピエント移植コーディネーター)

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