東京女子医科大学 八千代医療センターは、2006年12月、千葉県八千代市に、地域における急性期医療を担う総合病院として開院し、2014年7月初旬には、同院で初となる生体腎移植手術を行いました。
昨年東京女子医科大学より赴任された泌尿器科 診療科長の乾政志先生に、千葉県における腎移植事情や、八千代医療センターにおける腎移植医療への取組み、今後の展開についてお聞きしました。
Chapter1 千葉県における腎移植の現状について
まず始めに、千葉県の腎移植の現状についてお聞かせください。
千葉県における腎移植の歴史は古く、千葉大学病院の移植外科では1967年より腎移植手術が行われていました。現在は国立病院機構千葉東病院(千葉市中央区)を中心に、県内で34件(2013年実績)の腎移植手術が行われていますが、千葉県の人口や透析患者さんの人数からすると、まだまだ少ない状況です。2013年のデータでは、県内の透析患者さんの人数は1万3381人、献腎移植希望の登録をされている方は600人以上に上ります。
それだけの透析患者さんと献腎移植希望の方がいらっしゃるのに、腎移植は年間約30件しか行われていないのですね。
そうですね。ですので、当院が移植施設として加わることにより、千葉県における腎移植を少しでも増やしていきたいと考えています。
八千代市は、高度経済成長期に日本で初めて団地ができたところで、住宅団地発祥の地として知られています。1996年(平成8年)には、都心に直結する東葉高速鉄道が開通し、その沿線を中心に宅地開発が行われたことにより、再び年少人口が増加しました。そのため、若い方からご高齢の方まで幅広い年代の方が住んでいるエリアなのです。
当院も、宅地開発と同じく、もともと何も無かった土地に新しく建設しましたので、院内はとてもゆとりのある作りになっています。
東京女子医科大学 八千代医療センター