くすり事典

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腎移植後には、免疫抑制薬を中心とした、いくつかの薬剤の服用が必要となります。ここでは、腎移植前後に服用する可能性のある薬剤を、その作用・効果に分けてご紹介します。

免疫抑制薬(注射薬)

サイモグロブリン

一般名
抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン
製薬会社
サノフィ株式会社
この薬の作用
T細胞表面抗原(CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD25、TCRαβ)並びに白血球表面抗原(CD11a)に高い親和性を示すポリクローナル抗体であり、これらの抗原に結合し、主にT細胞に細胞傷害性を示します。
※種類のB細胞から作製されるモノクローナル抗体に対し、抗原で免疫した動物の血清から作製されるポリクローナル抗体はいろいろな抗体分子種の混合物となっている。
この薬の効果
通常、中等症以上の再生不良性貧血、造血幹細胞移植の前治療、造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病、臓器移植後(腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植)の急性拒絶反応の治療に用いられます。
この薬の主な副作用・使用上の注意点
主な副作用として、発疹、発熱、悪心・嘔吐、AST・ALT・LDH・ALP・ビリルビン増加、動悸、CRP増加、脱力などが報告されています。このような症状に気づいたら、また上記以外でも気になる症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。
併用禁忌
    併用禁忌:飲み合わせの悪い薬です。併用した場合、作用の減弱、副作用の増強などを引き起こすおそれがあります。
    ・弱毒生ワクチン(おたふくかぜ、麻疹、風疹及びこれらの混合ワクチン等)


    参考:サイモグロブリン® 総合製品情報概要(2018年5月作成)
       サイモグロブリン®点滴静注用25mg添付文書(2014年9月改訂)
       今日の治療薬2019



    <監修>
    北里大学病院 薬剤部 小林 昌宏先生
薬の服用内容は、患者さん各々の状態によって異なりますので、必ず担当の医師または薬剤師の指示に従ってください。

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