くすり事典

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腎移植後には、免疫抑制薬を中心とした、いくつかの薬剤の服用が必要となります。ここでは、腎移植前後に服用する可能性のある薬剤を、その作用・効果に分けてご紹介します。

免疫抑制薬(注射薬)

プログラフ

一般名
タクロリムス水和物
製薬会社
アステラス製薬株式会社
この薬の作用
主にヘルパーT細胞の活性化を抑え、サイトカイン産生など異常な免疫反応を抑えます。
この薬の効果
通常、移植後(腎・肝・心・肺・膵・小腸・骨髄)の拒絶反応や移植片対宿主病(骨髄移植のみ)を抑えるために用いられます。
この薬の主な副作用・使用上の注意点
主な副作用として、血圧上昇、振戦(手足の震え)、下痢、発熱、嘔吐、頭痛、腎障害、胸痛、ほてり、腹部膨満感、感染症、中枢神経系障害などが報告されています。このような症状に気づいたら、また上記以外でも気になる症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。
次のような方は使う前に必ず医師と薬剤師に伝えてください
    ・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝障害、腎障害、感染症がある。
    ・妊娠、妊娠している可能性がある、または授乳中。
    ・他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
併用禁忌
    併用禁忌:飲み合わせの悪い薬です。併用した場合、作用の減弱、副作用の増強などを引き起こすおそれがあります。
    ・生ワクチン(乾燥弱毒性麻しんワクチン、乾燥弱毒性風しんワクチン、経口生ポリオワクチン 等)
    ・シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
    ・ボゼンタン(トラクリア) 
    ・カリウム保持性利尿剤(スピロラクトン(アルダクトンA)、カンレノ酸カリウム(ソルダクトン)、トリアムテレン(トリテレン))


    参考:プログラフカプセル0.5mg[移植用剤]くすりのしおり(2017年8月改訂)
       プログラフカプセル®注射液2mg、5mg添付文書(2019年6月改訂)



    <監修>
    北里大学病院 薬剤部 小林 昌宏先生
薬の服用内容は、患者さん各々の状態によって異なりますので、必ず担当の医師または薬剤師の指示に従ってください。

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