くすり事典

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腎移植後には、免疫抑制薬を中心とした、いくつかの薬剤の服用が必要となります。ここでは、腎移植前後に服用する可能性のある薬剤を、その作用・効果に分けてご紹介します。

免疫抑制薬(内服薬)

グラセプター

グラセプター

カプセル(0.5㎎、1㎎、5㎎)

カルシニューリン阻害薬と呼ばれるタクロリムス(プログラフ、グラセプター)、シクロスポリン(ネオーラル)は免疫抑制の中心となる薬剤です。Tリンパ球の働きを抑えてくれる薬剤です。

一般名
タクロリムス水和物
製薬会社
アステラス製薬株式会社
この薬の作用
主にヘルパーT細胞の活性化を抑え、サイトカイン産生など異常な免疫反応を抑えます。
この薬の効果
通常、移植後(腎・肝・心・肺・膵・小腸・骨髄)の拒絶反応や移植片対宿主病(骨髄移植のみ)を抑えるために用いられます。
この薬の主な副作用・使用上の注意点

主な副作用として、血圧上昇、振戦(手足の震え)、サイトメガロウイルス感染、BKウイルス感染、糖尿病、腎障害、帯状疱疹、下痢、発熱、嘔吐、頭痛などが報告されています。このような症状に気づいたら、また上記以外でも気になる症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。

※薬には効果だけでなく副作用があります。医師は薬の有効性を最大限に生かし、副作用を最小限にとどめるように用法・用量を調節しています。勝手に服用をやめたり、服用量を減らしたりすると、薬の有効性と副作用のバランスをくずすおそれがあります。必ず医師の指示に従って服用してください。 気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

次のような方は使う前に必ず医師と薬剤師に伝えてください
    ・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。肝障害、腎障害、感染症がある。
    ・妊娠、妊娠している可能性がある、または授乳中。
    ・他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
生活上の注意点
・感染しやすくなりますので、手洗いやうがいを行い、規則正しい生活を心がけてください。
・グレープフルーツ(ジュース)は、この薬の作用を強めることがありますので、これらを一緒に飲食することは避けてください。
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品はこの薬の作用を弱めることがありますので、これらを一緒に飲むことは避けてください。
併用禁忌
    ・生ワクチン(乾燥弱毒性麻しんワクチン、乾燥弱毒性風しんワクチン、経口生ポリオワクチン 等)
    ・シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)
    ・ボゼンタン(トラクリア) 
    ・カリウム保持性利尿剤(スピロラクトン(アルダクトンA)、カンレノ酸カリウム(ソルダクトン)、トリアムテレン(トリテレン)


    参考:グラセプターカプセル1mgくすりのしおり(2017年8月改訂)
       グラセプターカプセル®0.5mg、1mg、5mg添付文書(2019年6月改訂)



    <監修>
    北里大学病院 薬剤部 小林 昌宏先生
薬の服用内容は、患者さん各々の状態によって異なりますので、必ず担当の医師または薬剤師の指示に従ってください。

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