くすり事典

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腎移植後には、免疫抑制薬を中心とした、いくつかの薬剤の服用が必要となります。ここでは、腎移植前後に服用する可能性のある薬剤を、その作用・効果に分けてご紹介します。

免疫抑制薬(内服薬)

ネオーラル

ネオーラル

カプセル(10㎎、25㎎、50㎎)

カルシニューリン阻害薬と呼ばれるタクロリムス(プログラフ、グラセプター)、シクロスポリン(ネオーラル)は免疫抑制の中心となる薬剤です。Tリンパ球の働きを抑えてくれる薬剤です。

一般名
シクロスポリン
製薬会社
ノバルティス ファーマ株式会社
この薬の作用
リンパ球に特異的・可逆的な免疫抑制作用を示し、主にヘルパーT細胞の活性化を抑え、異常な免疫反応を抑えます。
この薬の効果
通常、臓器移植(腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、小腸)後の拒絶反応、骨髄移植後の拒絶反応や移植片対宿主病を抑制するために使用されます。
この薬の主な副作用・使用上の注意点

主な副作用として、腎機能障害(尿量減少、浮腫)、肝機能障害(倦怠感、手や白目が黄色くなる)、吐き気、多毛、振戦(手足の震え)、頭痛、めまい、歯肉肥厚、高血圧、熱感、発疹、発熱などが報告されています。このような症状に気づいたら、また上記以外でも気になる症状が出た場合は、担当の医師または薬剤師に相談してください。

※薬には効果だけでなく副作用があります。医師は薬の有効性を最大限に生かし、副作用を最小限にとどめるように用法・用量を調節しています。勝手に服用をやめたり、服用量を減らしたりすると、薬の有効性と副作用のバランスをくずすおそれがあります。必ず医師の指示に従って服用してください。 気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。

次のような方は使う前に必ず医師と薬剤師に伝えてください
    ・以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。神経ベーチェット病、腎障害、肝障害、感染症、悪性腫瘍またはその既往歴がある。
    ・妊娠、妊娠している可能性がある、授乳中。
    ・他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。
生活上の注意点
・免疫が抑えられて感染しやすくなるおそれがありますので、まめに手を洗ったり、うがい、歯みがきをしたりして、清潔を心がけてください。
・予防接種を受ける場合には、医師または薬剤師に相談してください。
・グレープフルーツジュースはこの薬の血中濃度を上げ薬の作用を強くさせること、セイヨウオトギリソウを含む健康食品はこの薬の血中濃度を下げ薬の作用を弱くさせることが知られていますので、これらの食品の飲食は避けてください。
併用禁忌
    併用禁忌:飲み合わせの悪い薬です。併用した場合、作用の減弱、副作用の増強などを引き起こすおそれがあります。
    ・生ワクチン (乾燥弱毒生麻しん ワクチン、乾燥弱毒 生風しんワクチン、 経口生ポリオワクチ ン、乾燥BCG等)
    ・タクロリムス(外用剤を除く) (プログラフ)
    ・ピタバスタチン (リバロ) ロスバスタチン (クレストール)
    ・ボセンタン (トラクリア)
    ・アリスキレン (ラジレス)
    ・アスナプレビル (スンベプラ)
    ・バニプレビル (バニヘップ) グラゾプレビル(グラジナ)
    ・ペマフィブラート (パルモディア)


    参考:ネオーラル10mg[移植用]くすりのしおり(2018年7月改訂)
       ネオーラル®10mgカプセル添付文書(2018年7月改訂)



    <監修>
    北里大学病院 薬剤部 小林 昌宏先生
薬の服用内容は、患者さん各々の状態によって異なりますので、必ず担当の医師または薬剤師の指示に従ってください。

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