感謝の気持ち
病院の先生やスタッフにお伝えしたいことはありますか。
川上さん:
日髙先生、杉本コーディネーターはじめ、この病院の先生やスタッフの方は、何でも相談しやすいので、移植外来の日にはいつもしゃべりすぎてしまいます(笑)。日髙先生のアドバイスには、即効性のある特効薬が入っていて、毎回パワーをもらって本当に助けられています。先生を頼りにしていますので、これからもよろしくお願いします。また杉本コーディネーターの優しさと笑顔にはいつも救われています。
私は本当に周りの方々に恵まれていると思います。心から感謝しています。
提供ドナーへの思いを教えてください。
川上さん:
ドナーの方、ご家族の方には、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。厳しい状況の中、腎臓の提供を決断していただいたご家族の強い思い※を、ひしひしと感じています。移植後しばらくは、自分の透析歴や年齢を考えて、本当に私が頂いてよかったのだろうかと葛藤することがありましたが、そんな気持ちでいて、ドナーの方やご家族を悲しませてはいけないと思い直し、今では1日でも長く一緒にいたいという気持ちで、右のお腹をさすりながら、毎日たくさん会話しています。心と心が繋がっている感じがして、とっても愛おしいです。私のところに来てくれてありがとうね!
※ご家族の思い:姿、形はなくなっても、人様のお役に立つことができるのだよ。天国から見守ることもできるのだよ、と私は受け取りました。
現在、献腎移植を待っている方や献腎移植希望の登録を検討している方へメッセージをお願いします。
川上さん:
現在血液透析や腹膜透析を受けている方には、「大変だと思いますが、自己管理だけはきちんと続けてください」とお伝えしたいです。例えば食事も、昼取り過ぎてしまったら夜で調整する、というように、1日全体で考えれば外食をすることもできます。ご自身に合った形で自己管理を続けてほしいです。
移植の機会が訪れるか訪れないかは誰にも分かりませんが、“ご自身の体のために!”続けてください。
最後に日髙先生からもメッセージをお願いします。
日髙先生:
現在日本においては、献腎移植を受けるまでにはかなりの待機期間があります。私たちも臓器提供を増やすための啓発活動を続けていきたいと考えていますし、川上さんのように移植を経験された方の声を通じて移植医療の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。
今透析治療を受けている方には、まずは献腎移植希望の登録をしていただき、登録後は、1年に1回、登録病院できちんと体の状態を確認してもらいたいと思います。川上さんのように自己管理をしっかりと行い、きちんとした透析治療を受けていれば、移植の連絡がきたときにも、万全の体制で手術に臨めると思います。