移植手術に向けて

三浦先生と初めて移植について話したのはいつ頃ですか。また、その時にはどのような話をされましたか。

中本さん
移植手術を受ける数カ月前に、姉に連れられて三浦先生に初めてお会いしました。移植医療の基本的な話は姉からある程度聞いていたので、先生からは、移植をして元気に生活を送り幸せに暮らしている患者さんの写真などを見せてもらい、移植をするとこんなに良い事がある、というような明るい話をしてもらいました。また、ドナーとなる母のための話もあり、その後、母の検査となりました。

三浦先生、腎臓移植外科では初診の患者さんには、通常どのような話をされるのですか。

三浦先生
まずは移植コーディネーターが病歴など、患者さんの状況をお伺いします。それから、診察で必要事項を確認させていただいた後に、診察室に置いてあるパソコンの大きな画面で一通りの移植の説明資料を見ていただきます。通常1時間くらいかけて説明を行っています。

移植手術を受けるに際し、お母様とは何かお話をされましたか。

中本さん
母からは、「真優がこれからもやりたい事ができるよう、少しでも長く生きてほしい」という話をされました。私の方は、母はもう60歳を過ぎていたので、「母の体が大丈夫か心配している」、という話をしました。
一方で、母はそれまで全く病院に行っていなかったので、本当に腎臓があげられる状態なのかどうかを心配していました。結局、「検査をしてみて私の腎臓で大丈夫ならば、移植を考えよう」ということになり、まずは先生に相談してみようという話になりました。
その後、母の検査をしたところ、とても健康であることがわかり、移植をすることが決まりました。

お母様と一緒に

移植手術が決まってから、実際の手術まではどのように過ごしていましたか。

中本さん
手術が決まってから実際の手術までの数カ月間はあっという間でした。手術直前まで透析があったので、食事に気を付け、規則正しい生活を心がけていました。

三浦先生、札幌北楡病院での生体腎移植手術までの期間はだいたいどのくらいなのでしょうか。

三浦先生
患者さんの状況やご希望によって様々です。ただ、事前の検査自体は、早ければ1~2週間で終了しますので、急ぐ必要がある場合などは初診から1~2カ月で移植になる場合もあります。