4献腎移植の流れ
1. 献腎移植の流れ
献腎移植とは何ですか?
献腎移植は、亡くなられた方から腎臓を提供していただく移植のことです。 献腎移植には心臓死からの移植と脳死からの移植があります。
献腎移植を希望する場合の流れを教えてください
まずは「日本臓器移植ネットワーク」に移植希望登録をします。
そして、透析治療を継続しながら臓器提供候補者が現れるまで待機します。2014年4月末現在、全国で12,697名が登録をしており、献腎移植を受けるまでの平均待機期間は、成人では約16年となっています。16歳未満では優先的に移植が受けられる制度になっているため、待機期間は約1年半となっています。
献腎移植の待機期間中にやっておくべきことは何ですか?
献腎移植の機会は突然やってきます。移植の連絡の電話を受けると、30分~1時間程度という非常に短い時間で移植を受けるかどうかを決めなくてはなりません。いつでも手術を受けられるよう、まずは日々の体調管理をきちんと行うことが重要です。普段から風邪などを引かないように心がけ、肥満にならないよう気をつけてください。また、1年に1回は献腎移植を受ける登録病院を受診し、体の管理と移植の情報収集を行い、来るべき日に備えましょう。
また、事前に家族や職場の理解を得ておくこと、急な入院に備えて準備をしておくことも大切です。もちろん、年1回の「日本臓器移植ネットワーク」の登録更新も忘れないようにしてください。
※平成28年4月からは、年1回以上の診察と評価を受けることが必須条件になります。
2. 献腎移植の登録費用
移植希望登録にかかる費用はどのくらいですか?
日本臓器移植ネットワークへの登録料として、下記が必要です。
・新規登録料:30,000円
・年1回の登録更新料:5,000円
※ 初回登録日から1年を過ぎた方が対象
※ 住民税非課税の場合には無料
実際に献腎移植手術を受ける場合には、どのような費用がかかりますか?
下記のように、検査・手術・入院費用等がかかります。
しかし、保険や各種医療費助成制度を適用することで自己負担が軽減されますので、一般的にはコーディネート経費(100,000円)を除けば、数万円程度の実費負担で済みます。
<献腎移植手術にかかる費用>
●移植手術にかかる費用
・コーディネート経費:100,000円(臓器移植手術につき、お一人あたり)
・リンパ球直接交差試験用血液搬送費
・臓器搬送費と摘出医師派遣費:通常は0〜数万円程度
※ 療養費として申請すれば還付されます。
●入院にかかる費用
※ 入院費がかかりますが、身体障害者1級による各種助成を受けることができます。
※ 個室に入った場合の差額ベッド代等は、別途必要です。
3. レシピエントの選出基準
献腎移植のレシピエントは、どのような基準で選ばれるのでしょうか?
臓器提供の申し出があり、臓器提供が可能と判断されると、日本臓器移植ネットワークで下記基準に基づき、レシピエント(移植を受ける方)の選択が行われます。
※下記基準は2018年3月現在
<前提条件>
●ABO式血液型の一致及び適合の待機者【ABO式血液型の詳細はこちら】
●リンパ球交差試験(全リンパ球又はTリンパ球)陰性
●1年以内に移植希望者(レシピエント)の登録情報が更新されていること
●C型肝炎抗体陽性の臓器提供者(ドナー)から提供された腎臓は、C型肝炎抗体陽性の移植希望者(レシピエント)のみを対象とし、リスクについて十分に説明し承諾を得られた場合にのみ移植可能とする
<優先順位>
1)親族(親族優先提供の意思表示がある場合)
2)血液型:適合より一致を優先
3)臓器提供者(ドナー)が20歳未満の場合は、選択時20歳未満である移植希望者(レシピエント)を優先する
4)下記①〜④を点数化し、合計点数が高い順
① 搬送時間(阻血時間)
② HLAの適合度【HLAの詳細はこちら】
③ 待機日数
④ 未成年者(16歳未満と、16歳以上20歳未満に加点)
参考:(公社)日本臓器移植ネットワーク 「腎臓移植希望者(レシピエント)選択基準」
監修:東京女子医科大学八千代医療センター 泌尿器科 乾政志先生