二回目以降の腎移植はどこに植えるのか?
疑問の方も多いでしょう。しかし、答えは簡単です。通常は、最初の移植した場所の反対側に植えるのです。では三回目は??? 簡単です。どちらかの移植腎を摘出してそこに移植します。技術的にはやや難しくなりますが、たいしたことはありません。勿論、二回目の腎移植のときに最初に移植した腎臓を摘出して同じ場所に植えることもありますが、基本的には外科手術の行いやすい方法を考えて決められます。
これまで最も多数の腎移植を行った方は四回ですが、現在も移植腎は順調に機能しています。
前回は詳しく触れませんでしたが、二回目以降のかたでドナー特異的抗体(DSA)を持っており、その抗体の強度が非常に強い場合、リンパ球クロスマッチが陽性となり腎移植ができなくなる方がいます。抗体の量が少なければ問題はあまりないのですが多いと問題になります。いわゆるリンパ球クロスマッチ陽性といわれる状況です。
これまではこのような場合、腎移植は不可能と考えられてきました。しかしながら、近年の新規の強力な免疫抑制剤の開発、免疫グロブリンの注射による免疫反応の抑制などの新しい治療法が開発され腎移植が可能になりつつあります。現在、グロブリン治療に関しては自費治療しか出来ませんが、今後、臨床研究が始まりつつあり近い将来保険での治療も可能になってくるものと期待されます。
もし、クロスマッチ陽性で移植が延期されている方がおられましたら今しばらくお待ちください。何とか腎移植が可能になるものと思われます。