Chapter3 より多くのCKD患者さんに腎移植を知ってもらうために
より多くの腎臓内科医が、CKD患者さんに対し、先生のように腎移植について説明できるようになるためにはどうしたらよいでしょうか。
まず、腎臓内科医の中には、移植医療についての知識は持っていても、実際の移植医療、例えば移植手術や手術後の患者さんの診療をみたことがない医師も多いと思います。腎移植を受けるかどうかは、医師が決めることではなく、CKD患者さんとそのご家族が決めるべきです。医師の役割は、きちんとした情報を提供するだけです。知識だけでは、患者さんが納得できる腎移植の説明することはできません。より多くの若い腎臓内科医が、実際に腎移植の臨床を経験できる機会が必要です。
当院では全国から腎移植の臨床を学びたいという医師を定期的に受け入れ、教育を行っています。まだまだ当院のような研修可能な施設は限られていますが、多くの腎臓内科医が実際の移植医療について学べる環境を、全国レベルで整えていくことが必要だと考えます。
最後に、全国のCKD患者さんにメッセージをお願いします。
CKD治療は患者さんとそのご家族が主役です。腎移植に限らず、血液透析や腹膜透析でも、ご家族の協力がなくては治療を行うことはできません。当院の腎移植チームでは、常に患者さんとご家族と一緒に、皆さんが納得できる治療選択ができるように診療しています。まずは安心して相談に来ていただければと思います。