兵庫県レシピエントインタビュー第1回目は、約9年前にお父様がドナーとなり生体移植手術を受けられた、高田尚紀さんです。
腹膜透析、血液透析を受けていた頃から移植手術に至るまでのお話や、移植後、ご結婚もされ、家庭も仕事も大変充実されている現在の様子を、ドナーとなられたお父様も交えお聞きすることが出来ました。
高田さんが移植を受けるまでの経緯
- 1994年(16歳頃) 腎不全の症状が出始める
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1999年(21歳) 腹膜透析導入
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2004年(26歳) 血液透析導入
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2005年2月(26歳) 生体腎移植手術
運動好きな健康優良児
腎不全の症状が出る前はどの様な生活でしたか?
高田さん:
高校1年生の健康診断で、尿検査で異常が見つかるまでは、自分は体が丈夫な健康優良児だと思っていました。とにかく体を動かすことが大好きで、小学校では野球を、中学・高校ではバスケットボールをしていました。
尿検査で異常を指摘されてからは、保存期治療を行っていたのでしょうか?
高田さん:
保存期治療はほとんどしていませんでした。激しい運動はしてはいけないと言われていましたので、1年半くらいはバスケットボールもアシスタントコーチにしてもらい、運動を控えるようにしていました。しかしその後はあまり大人しくしていませんでしたので、病気の進行が早まってしまったのだと思います。
就職して1年くらいした頃から、頭がぼーっとしたり、身体が浮腫むことがあり、おかしいなと思い近くの病院を受診したら、腎臓がかなり悪くなっていると言われました。
透析導入へ
その後、腹膜透析を開始されたとのことですが、何故、腹膜透析を選択されたのですか?
高田さん:
当時の主治医の先生から、「高田さんはまだ若いので、時間が拘束される血液透析よりも腹膜透析の方がいいでしょう」と言われ、当時はあまり自分で勉強していませんでしたので、先生から勧められるままに腹膜透析を選択しました。
腹膜透析を開始される際に移植の話はありましたか?
高田さん:
その時は移植の話は出ませんでしたね。自分でも移植は考えていませんでした。
市川先生:
高田さんが腹膜透析を開始された1999年頃は、透析導入の際に移植の話が出ることはまだ少なかったと思います。当時このエリアでは移植に関しての説明をしてくれる人もいませんでした。現在行われているような市民公開講座のようなものも行われていなかったですね。
その後、腹膜透析は順調でしたか?
高田さん:
腹膜透析中は3回ほど腹膜炎になりました。冬になると入院していましたね。