ほっとした瞬間
移植手術を終えた時の心境はどうでしたか?
高田さん:
手術後目覚めた時は、まず父の状態がどうなのかが気になり、看護師さんに一番に尋ねました。父も無事で、自分の手術も無事終了した事を聞いて、とてもほっとした事を良く覚えています。
お父様(ドナー):
手術後、看護師さんから「息子さん、すぐにおしっこが出ましたよ!」と言われ、やれやれ、と思ったのを覚えています。手術後1週間後くらいに息子に直接会うことが出来ました。
その時にはどの様な会話をされたのですか?
お父様(ドナー):
お互いに「良かったね」という話をしましたね。
手術後の経過はどうでしたか?
高田さん:
手術後の経過は順調だったと思います。寝てばかりいるとどうしても体力が衰えるので、早く動いた方がいいと言われ、手術後歩けるようになってからは、階段の上り下りなど院内や病院周りをかなり歩き回りました。
当初聞いていた退院予定よりも早く退院出来、手術の約3ヵ月後には、会社へ復帰することが出来ました。
ドナーのお父様も順調でしたか?
お父様(ドナー):
私も手術後4日後からは自分で歩けるようになりました。退院後すぐに仕事にも復帰しましたね。その後8年間は特に問題はありません。
先生、移植の際の入院期間はどのくらいですか?
市川先生:
レシピエントの方の入院期間は、当時は約6週間だったと思います。現在は1ヶ月を一つの基準にしています。患者さんのご自宅が病院から近ければいいのですが、遠い方も多いので、早く退院してその後頻繁に病院に通っていただくのであれば、少し長めに入院していただいた方が患者さんの身体も楽ですしね。
ドナーの方は、手術前からですと約3週間の入院期間だったと思います。術後は2週間弱でしたね。現在は術後の入院期間は10日前後になっています。
父への感謝
移植後、ドナーの方に対しては何か特別にイベント等は行っていますか?
高田さん:
移植後、1年後ぐらいに、家族で温泉に行きました。また、普段から父の日などには、家族で食事に行ったり、贈り物をしたりしています。
移植をしてから一番良かった事は何ですか?
高田さん:
やはり時間の制約が無くなった事が一番嬉しいです。友達との外食、バスケットボールやゴルフと、透析をしていた頃は時間の制約があり遠慮がちだった事が自由に出来るようになり、積極的にするようになりました。
大切な腎臓のために
移植後の日常生活で、移植腎の為に特にどの様な事に気を付けて生活をしていますか?
高田さん:
水分は1日2Lを目標に飲むようにしている事と、薬の飲み忘れがないように、仕事を含め外出時には、1セット余分に持参するようにしています。それでも飲み忘れた時には、気付いた時にすぐに飲むようにしています。
移植後、県立西宮病院にはどのくらいの頻度で通院されていましたか?
高田さん:
通院には車で2時間~2時間半かかりましたので、調子が良ければ、6週間に1回くらいでした。
市川先生:
高田さんの通院に関しては、6週間を目途にしましょうと言っていました。兵庫県は広く、日本海の方から通院されている方は3ヶ月に1回の方もいらっしゃいました。病院に近い方は1ヶ月~1ヶ月半に1回でしたね。
日常の服薬や、血圧、体重等の記録はどの様な方法で行っていますか?
高田さん:
服薬は、基本的には仕事に支障が出ない時間で飲めるように時間を設定しています。血圧、体重の変化はほとんどないので、週1回程度、就寝前に測定しています。