腎移植後であっても高血圧の治療に違いはありません。
現在、目標となっている血圧の目安は、収縮期血圧(俗に言う「上の血圧」)120未満でありかつ拡張期血圧(俗に言う「下の血圧」)が80未満であることが理想的であると考えられています。一方、高血圧症といわれる状況は、収縮期血圧が140を越えるかあるいは拡張期血圧が90を越える状態です。収縮期血圧が120から140の間であるか、拡張期血圧が80から90の間にある場合は要注意ということになります。理想的にはこの要注意領域になった場合には高血圧に準じて治療を進めることが望ましいと考えます。

勿論、高血圧といわれる基準になった場合には、すぐに生活習慣の改善を行う必要があります。
生活習慣の改善としては、一日の食塩摂取量6g以下にすること、肥満があれば痩せること、適度な運動を行うこと、アルコール分を控えること、野菜・果物中心の食事にすること、禁煙などが挙げられます。

まず、食塩の制限については、別表にあげる食塩の量を参考にしながら考えるといいでしょう。インスタントラーメンなどは全くだめな感じですね。塩分については比較的計算しやすいことからちょっと注意していけばそれほど難しいことではないように思います。

肥満はBMI(body mass index)が25未満であることを心がけてください。BMIは体重(kg)÷((身長(m)x身長(m))で計算されます。しかし、肥満はなかなかわかっていても改善できないものです。実際のところは、「あ」のつく4つのもの、すなわち、あぶら物、揚げ物、甘いもの、アルコールの制限を行うことがかなり有効です。また、夜7時以降は食事をしないこと、夕食に大量に食べないことなども重要です。朝、昼をしっかり食べて夕食は軽めにといったところでしょう。