女性の方で移植後、ホルモン剤を服用する事になる方もいらっしゃるかと思います。その際、プログラフやグラセプター(タクロリムス)、ネオーラル(シクロスポリン)を服用中の方は、注意をされた方がいいかもしれません。
グレープフルーツやアレルギー治療に使用されるお薬が、プログラフやグラセプター(タクロムリス)、ネオーラル(シクロスポリン)のお薬の効果に影響がある(または疑われる)ものがあることを以前記載させて頂きましたが、女性が処方されるホルモン剤の中にも、プログラフやグラセプター(タクロムリス)、ネオーラル(シクロスポリン)のお薬の効果に影響のある(または疑われる)ものが存在します。
ここでいう影響というのは、ピルの中の一部の製剤服用により、プログラフやグラセプター(タクロムリス)、ネオーラル(シクロスポリン)の血中濃度が上昇する可能性があるという事です。実際、エストラジオールによってタクロムリスの血中濃度が上昇したとの報告があります。
免疫抑制剤の血中濃度は、高くなり過ぎると腎障害を含めた副作用が発生し、低くなり過ぎると今度は拒絶反応の恐れが出てきますので、主治医が指定する濃度に保っておく必要があります。
ホルモン剤の中で、こちらの一覧(画像参照)に示した薬は、免疫抑制剤の血中濃度上昇に影響する可能性があります。もしこれらの薬剤を服用する場合には、念のため、主治医に相談の上、服用後にプログラフやグラセプター、ネオーラルの血中濃度を測ることをおすすめします。
メディプレスの情報はあくまでも執筆時点での情報をもとにした専門医の一般的な意見としての参考情報です。それぞれの患者さんの状態や体調によって対応は大きく変わってきますのでご注意ください。ご自身の状況については、主治医や専門医の指示に従ってください。