腎移植後は定期的に外来に通院し、検診を受けていただくことになります。

腎移植後の外来では、主に移植腎機能をはじめとした、血液検査、内服している薬剤のチェック、ネオーラル、プログラフ、グラセプターなどの薬物濃度のチェック、血圧・体重の管理、移植腎の超音波検査などが行われます。

多くの患者さんは定期的に移植外来に行っていれば何も問題がないとお考えかもしれませんが、それは大きな誤解です。勿論、移植腎に関連したことは問題ないのですが、それ以外のがん検診などは各自で受けていただく必要があります。

臓器移植後で免疫抑制を受けている方では、やや悪性腫瘍の発生頻度が高くなると考えられています。しかし、その頻度は透析中の患者さんに比べると決して高いものではありません。発がんリスクには、年齢や移植前のがん既往、喫煙習慣や家族歴など、個人差があります。
がんにならないようにするためには、発がんに繋がる生活習慣を改める事ももちろんのこと、一般の方々と同じように、定期的にがん検診や人間ドックを受診し、早期発見に努める事が必要です。

日本人に多い胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮がん、前立腺がんなどは、通常の移植外来では検査しませんので、各自でがん検診や人間ドックを受けていただき、内視鏡やX線検査、CT、超音波検査などを受けておく必要があります。

特に、50歳以上の患者さんや移植から5年以上経ち長期間の免疫抑制をうけている患者さんなどは必ず受けるようにしてください。