「腎移植前後の患者さんが抱く基本的な疑問」について、KDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcome(国際腎臓病予後改善機構)) が作成した国際腎臓病ガイドラインの視点から東京女子医科大学の田邉一成先生にご解説頂く"患者さんの疑問”解決 シリーズ。

第10回目の今回は『サイトメガロウィルス感染になるとどのような症状がでるのでしょうか?また、予防の為にはどうすればいいのでしょうか?』というご質問に対してご回答、ご解説頂きました。

【質問10】サイトメガロウィルス感染になるとどのような症状がでるのでしょうか?また、予防の為にはどうすればいいのでしょうか?

【回答・解説】
最初は症状がありません。症状が出るのは最初は発熱です。38度以上の発熱を認めた場合は可能な限り移植医の診断を受けるべきです。
欧米では予防投薬がおこなわれており、ガイドライン上でもこれを強く勧めております。しかしながら日本人の多くはこの薬剤の投与により重症の白血球減少症を惹起することも多く必ずしも推薦できません。
私どもはCMVウイルスの活性化の状況をアンチゲネミア法を用いて診断し、ウイルスが増殖しつつあるときは初めてガンシクロビル、バルガンシクロビルの投薬を行います。

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