Chapter2 腎移植・膵移植への取組みについて

移植手術は現在どのような体制で行っているのですか。

岡部先生
1チーム6人で行っていますが、私たちの九大チームに加え、関連施設から手伝いにきてもらうこともあります。逆に、関連施設で人員が足りない場合は、当院から医師が赴くこともあります。生体腎移植手術を行っているときに、脳死や心停止下の臓器提供による移植が入ることもありますので、特にそのような場合は、関連施設と協力し合いながら手術を行っています。

1年間にこれだけ多くの移植手術を行うには、チーム力もとても重要だと思うのですが、こちらの移植チームの特長について教えてください。

岡部先生
レシピエントやドナーに安心して手術を受けてもらうことが大前提ですので、九州大学移植チームのレベルを上げるためにも、特定の医師が手術をするのではなく、皆で手術をすることを心がけています。そうすることによってチーム全員のレベルが上がり、患者さんにも、より安心して手術を受けていただけるようになると考えています。
また、他施設からの研修医師も受け入れるなど、若手の医師を育てることにも力を入れています。

九州エリアや周辺の腎臓内科との連携も行っていますか。

岡部先生2

岡部先生
周囲の大学病院や基幹病院の腎臓内科とも連携を取っていますので、それらの施設から患者さんが紹介されてくることも多いです。
まだまだ腎臓内科における腎代替療法の説明の際に、腎移植の説明を十分にしていただけていないケースもあると思うので、我々のチームにいる移植内科医(腎臓内科医)の先生を通じて、腎臓内科に対する啓発も行っています。

移植後のフォローアップ外来はどのように行っていますか。

岡部先生
移植後のフォローアップ外来は、基本的には原三信病院で行っています。ただ、合併症がある患者さんや、当院の他科を受診している患者さんなどは、当院でフォローアップを行っています。
原三信病院では、毎週月曜~土曜まで移植外来を行っており、私たちのチームの移植外科医や移植内科医が担当していますし、移植コーディネーターも3人います。急性期病院ですので、何かあった際の緊急入院も可能ですので、安心して通院いただけます。

生体ドナーのフォローはどのように行っていますか。

岡部先生
基本的には、ドナーとレシピエントを一緒に診るようにしていますので、レシピエントが通院している病院に、ドナーも年1回は一緒に来てもらって診察しています。一緒に来てもらうことでフォローもしやすいですし、一緒に来ることで、ドナーがいるから今の自分があるのだということをレシピエントに再認識していただけると思っています。
夫婦間移植でも親子間移植でも、フォローアップ外来に一緒に来ていただき、「来年また一緒に来てくださいね」とお伝えしています。