ドナーの会は現在何名程いらっしゃるのですか?

ドナーの会

棚橋さん
私が把握しているだけで、300人を超えています。皆さんにはドナーの会・広場に参加頂いた際に、ご自身でお名前とご住所などを書いて頂いています。
ドナーの会に出られない時でも、お手紙をくださったりする方もいらっしゃり、「ドナーの会が私のお守り、ドナーの会が心の拠り所です」と言ってくださる方もいらっしゃいます。
手術が終わって何年も経ったドナーが、絆を大事にし、同じ体験をした者同士、大切な仲間として歩んでいく事が非常に大事だと思っています。

今後ドナーの会はどの様な展開をしていく予定なのでしょうか?またはどの様な目標をお持ちなのでしょうか?

棚橋さん
私のドナーとしての原点は、移植前の開腹手術のあの恐怖、不安、そして移植手術後の感謝から始まっています。初心を忘れることなく、ドナーの手によるドナーの為のドナーの会を今後も一歩ずつ歩いていこうと思っています。
そして、移植医療の情報を地域格差なく共有できるように、又、「ドナーの作品展」等を通して、社会一般に移植医療について正しく知って頂きたいと、そう願っています。全国各地にこのようなドナーの会がドナーの手によって生まれ、活動されるようになることを願っています。

最後に現在、移植を控えている、または移植手術を検討しいているレシピエントやドナーの方へメッセージを頂けますか?

棚橋さんご夫妻

棚橋さん
ドナーは自らの腎臓を1つ提供します。私自身「自分には腎臓が1つである」ということをたまに思い出します。この1つに何かあったらどうしようとの不安が少し頭を掠めることも事実です。
でもそれ以上に私にはドナーになって得られた ―数々の喜び・幸せ― の方がずっとずっと大きいのです。
移植を受ける前、僕は60歳まで生きられないかも知れないと(当時57歳)あれほど悲観的だった主人も昨年12月、無事70歳の誕生日を迎えられました。今では「この調子では平均寿命まで大丈夫かも知れないね」などと申しています。
ドナーにとりまして、これほど嬉しい言葉はありません。「寝たきりになってもいい、何しろ生きていて欲しい」そう願った日は今となっては遠い記憶の中です。
普通の生活、普通の食事、二人でいられることに感謝・感謝・移植医療に感謝の毎日です。「有難いですね。移植して良かったですね。」この言葉が交わされない日は我が家にはありません。
ドナーになった、なれたことによって得られるものは多く、素晴しく、同じ立場を有するドナーの仲間との出会いは私の生涯におけるこの上ない財産です。
私はドナーになれたことに本当に感謝しています。

「生体腎移植ドナー作品展」のご紹介
ドナーの方が手術後も元気に趣味などを楽しめるという事を知って頂くと共に、ドナーの方の気持ちを紹介し、一般社会に移植医療を知っていただけるとの思いから、「生体腎移植ドナーの会」が企画し、年に1回名古屋第二赤十字病院のホスピタルストリートにて1ヶ月間開催される。
2012年は4月に、1ヶ月間展示予定。ドナーの方の絵画やデコパージュ、写真等が展示される。
2011年3月の「生体腎移植ドナー作品展」の様子 「中日新聞」記事より

作品展