2018年9月30日(日)「第16回生体腎移植ドナーの会」が、ウインクあいち(愛知県産業労働センター)にて開催されました。

「生体腎移植ドナーの会」は、代表の棚橋千珠子さんが、ご自身がご主人の生体腎ドナーとなられたご経験をきっかけに、ドナーの思いをドナー同士で話せる、相談できる場を持ちたいと、ドナー主導の会として2003年に立ち上げられました。2008年6月からは年1回のドナーの会だけではなく、より多くの機会を設けたいという思いから、毎月1回の「ドナーの広場」も開始されました。ドナーの会、ドナーの広場、ドナーの広場サテライトには、これまでに3,966名(2018年10月14日現在)の方が全国各地から参加されています。

「第16回生体腎移植ドナーの会」は154名の方が参加予定でしたが、当日は大型台風の接近により、県外から参加予定だった方々の参加が難しい状況となり、生体腎移植ドナーを中心に、レシピエント、医療関係者など94名が参加されました。

ドナーの会の運営団体である、NPO法人 日本移植未来プロジェクトの打田和治理事長(愛知医科大学移植外科 客員教授)の開会の挨拶、渡井至彦先生(名古屋第二赤十字病院移植外科)の挨拶とスタッフ紹介の後、名古屋第二赤十字病院移植外科の二村健太先生の基調講演が行われました。

講演は、『医者が教える根拠のある健康法』というテーマで行われ、2018年現在のエビデンス(根拠)に基づき、①糖質制限について ②健康に良いと言われる“地中海食”について ③お酒の適量は? ④運動はどの程度するべき? ⑤健康的な体重とは? という5つの切り口から、誰にでも実践できる健康法について分かりやすく解説されました。講演の最後にはまとめとして、健康に重要な2大要素として、
①食事:地中海食を参考に、魚、野菜・果物、植物油、玄米・雑穀を中心とする食事を心がけましょう!
②運動:毎日10~20分以上の“軽く息が上がる運動”をしましょう!
をあげられ、講演のメッセージとされていました。

講演風景

講演後には、名古屋第二赤十字病院 移植内科・移植外科の先生方が執筆され、2018年5月に発刊された『腎移植 あなたの疑問にすべて答えます2018』と、日本移植未来プロジェクトから9月に発刊された『絆Ⅲ~生体腎移植ドナーの想い~』の紹介がありました。

『絆Ⅲ』は、2008年発刊の『絆~生体腎移植ドナーの想い~』、2012年発刊の『絆Ⅱ~生体腎移植ドナーの想い~』の続編として企画され、22組の生体腎移植ドナーとレシピエント、脳死下提供ドナーのご家族、献腎移植レシピエント、心臓移植レシピエント、移植には至らなかった方々の手記、そして10名の医療スタッフと1名の移植関係者の方からのメッセージで構成されています。この『絆Ⅲ』が、ドナーやレシピエント、これから移植を希望される方々にとっての希望となり、移植医療の理解の一助となればとのことです。

ドナーの会、ドナーの広場では、ドナー間の横の繋がりを大切にされており、何か心配事があれば誰かに聞いてもらえる、移植後の結婚・出産・就職等の喜びを分かち合い、身内のように感じられる、というように、会や広場に参加して、1人でも多くの仲間を作っていただきたいとのことです。移植後のドナーの方や、これからドナーになろうとお考えの方は、まずは、ドナーの広場まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

生体腎移植ドナーの広場のご案内は こちらから

尚、来年2019年のドナーの会は10月27日(日)にウインクあいちにて開催される予定です。