今後の夢とメッセージ
移植後に新たに始めたことや、今後の夢はありますか？
北山さん：
移植を受けてほとんど普通の生活が送れるようになったので、先程お話ししたように、様々な国に旅行をしています。また6年ほど前から、ずっと携わりたかった医薬品業の会社にも勤め始め、仕事は大変ですが、とても充実した生活を送っています。
今後もいろいろな国に旅行したいと思っています。今年9月に結婚する予定なので、12月には新婚旅行で南半球に行く予定です。
これから移植を予定されている方、移植を検討されている方にアドバイスやメッセージを頂けますか？
北山さん：
私は、透析中は体が血圧の変動についていくことができず、夏場などは、暑いところから急に寒いところに入ると気分が悪くなり、吐いてしまったりしていました。その様なちょっとした事で自分自身に自信が無くなっていたのですが、移植後は、血圧も問題が無く、階段も軽々と上れるようになり、少しずつ自信が戻ってきました。
今の仕事は大変ですが、その仕事を普通にこなせるのも、移植によって体力が戻り、自由な時間が増えたことが非常に大きいと思っています。
透析をしていらっしゃる方は、移植に対する不安もたくさんあるとは思いますが、不安に感じていることは、まずは先生や移植を経験された方に話を聞き、それから判断をすればいいのではないかと思います。
私自身は移植して、本当にたくさんのいいことがありました。また、移植された腎臓は永遠に持つわけではないので、いつかは透析に戻る可能性があることが分かっている分、１つ１つの選択をする際に、「それは本当に自分がやりたいことなのか」、ということをしっかりと考えて判断するようになり、後々に後悔しないよう限りある時間を大切に使うよう心掛けています。
吉田先生：
北山さんは移植後10年以上が経ちましたが、ご自身でもおっしゃっているように、長い期間で見れば、腎機能は徐々に下がっていきますので、次の10年をどう過ごすかということが非常に大事になってくる時期ですね。
最近では長期間にわたり、移植した腎臓が元気に機能している方も多くなってきていますが、移植した腎臓にはどうしても一定の限界があります。だからこそ、移植を受けられたからには無理をしない範囲で、ご自身のやりたい事を精一杯やって充実した人生を送って欲しいですね。北山さんのように人生に対してポジティブな方にも、悔いの残らないように、積極的な移植人生を送って頂きたいと思っており、その為の丁寧なフォローを、私達が行っていければと考えています。
