九州大学病院 レシピエントインタビュー第4回目は、膵腎同時移植手術を受けられた、森田健一さんです。
森田さんは14歳の頃に1型糖尿病を発症し、インスリン注射と食事療法を行う日々となりました。33歳の時に血液透析導入となり、その後長い透析生活を経て、膵腎同時移植を受けられました。
移植前の非常に厳しい状況を乗り越え、移植後の毎日を大切に充実して過ごしていらっしゃる森田さんに様々なお話をお聞きする事が出来ました。
森田さんが移植を受けるまでの経緯
- 14歳 1型糖尿病を発症
- 20代前半 腎不全の症状が出始める
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33歳頃 血液透析導入
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膵腎同時移植手術
負ける試合じゃないのに
糖尿病の症状が出始める前はどの様な生活だったのでしょうか?
森田さん:
中学3年生(14歳)までは、入院するような病気もした事がなく、健康な生活を送っていました。
病状が出始めた時はどのような状況だったのでしょうか?
森田さん:
中学3年生の頃から非常に喉が渇くようになり、体重が急激に減少し、何とも言えない脱力感を感じるようになりました。母から「何か原因があるに違いないから病院に行ってきなさい」と言われ、病院に行きました。
病院で検査をすると、空腹時の血糖値が440㎎/dl位あり(空腹時血糖の正常値は100㎎/dl未満)、これはまずいという事になり、大学病院に行きすぐに入院となりました。それからインスリン注射と食事療法が始まりました。
思い返せば、小学生から柔道をやっていたのですが、中学時代のある試合で負けた際、先生から「森田、今日の試合は負ける試合じゃないのに負けるなんて、力が入ってないんじゃないか?」と言われた事がありました。自分では体調の変化に気が付いていなかったのですが、徐々に悪化していたのだと思います。
その後はどの様な生活だったのでしょうか?
森田さん:
高校時代はインスリンを打ちながら柔道を続けていました。柔道は地元では一番強かったのですが、それ以上の大会となりますと、上には上がいましたね(笑)。
高校卒業後は実家が自営業(木工業)でしたので、親からも「人を使うなら、まず使われてみろ」と言われ、丁稚奉公ではないですが、他のところで修行をする事になり、働き始めました。現在は創作家具や特注家具などを作っています。