血糖コントロールの難しさ

腎不全の症状はいつ頃から出始めたのでしょうか?

森田さん

森田さん
腎臓に関しては、糖尿病発症後、10年経った頃に蛋白が出始めました。そして蛋白が出始めた7,8年後には血液透析導入となりました。
血液透析が始まると、更に血糖と血圧のコントロールが難しくなり、本当に大変でした。いつ低血糖が起こってしまうのか心配で、ずっと血糖値を測っていました。血糖値のコントロールが出来ないので、夜寝るのが本当に怖く、夜になると恐怖に押しつぶされるような気持ちになり、軽いパニック症のような感じになることもありました。また、風邪を引いたりすると血糖値が700㎎/dl位に上がってしまう事もありました。
血糖値を上手くコントロール出来るのであれば良かったのですが、コントロールが効かない状態が続きました。目が悪い人がずっと眼鏡をかけているように、ずっとインシュリンを打ち続けなければならない、というような感じでした。

その頃は移植に関しての知識はお持ちだったのでしょうか?

森田さん
何回か腎移植についての勉強会に参加していました。勉強会で得た知識、例えば、拒絶反応が出ないように免疫抑制剤を飲み続ける必要があるという事や、自己管理が大切で合併症や感染症に気を付けなければいけないという様な事は知っていましたが、それほど詳しくはなかったと思います。
私が14歳の頃からお世話になっていた内科の先生からは「もう少しすれば膵臓も腎臓も移植出来る機会が出来るから、それまで元気にしていなさい」と言われた事もありました。

北田先生
臓器移植法が成立した頃だと思いますので、その様なお話をされたのでしょうね。

膵腎同時移植希望の登録

移植希望の登録はいつ頃されたのですか?

森田さん
透析導入してからは、膵腎同時移植の情報も少しずつ集めていき、その後登録をしました。登録までは色々規定が厳しく、分厚い書類なども書かなければならず非常に大変で時間がかかりましたね。

北田先生
腎移植の登録に比べると、膵臓移植の登録は大変なんですよね。入院して検査をし、その結果を各種委員会に通して初めて登録が出来ます。

森田さん
私はどうしても入院がしたくなかった事もあり、通いで検査などにも行ったので、それもあって大変でしたね。

その後移植の連絡があるまでの間も検査を受けていましたか?

森田さん
そうですね。いつ移植の連絡がきてもいいように、定期的に検査は受けていました。