7小児の移植後の生活と注意点
1. 小児の移植後の生活と注意点
移植後は、普通に学校に行くことができますか?
普通に学校に通えます。
ただし、移植したお腹を直接圧迫するような運動は避けてください。具体的には、ドッジボール・サッカー・鉄棒などです。それ以外の一般的なスポーツは問題ありません。
薬はずっと飲み続けるのですか?
免疫抑制薬は一生飲み続ける必要があります。免疫抑制薬を飲み忘れると、急性拒絶反応が起こり、最悪の場合には移植腎が廃絶してしまいます。
思春期や青年期は、身体や生活環境の変化が大きく、服薬を怠る危険性が高まります。薬を確実に飲むように生活の中で工夫をし、大切な移植腎を守っていく努力が必要です。
移植後は予防接種ができますか?
免疫抑制薬を服用している場合、生ワクチン(水痘、麻疹、風疹、流行性耳下腺炎、BCG、ポリオなど)の接種は禁忌となります。また、免疫抑制薬を服用している間に、麻疹や水痘に罹ると重症化することがあるため、手術を行う前に予防接種を受けておくことが大切です。
不活化ワクチン(B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合、インフルエンザ など)の接種は問題ありません。
移植後は背が伸びますか?
移植手術により体の尿毒素が抜けると、一般的に、身長が大きく伸びる子が多いです。
成長期に移植腎機能が十分に維持されていることが、身長が伸びる条件になります。
副腎皮質ステロイドの長期服用や移植腎機能、年齢などが複合的に影響して身長があまり伸びない場合は、副腎皮質ステロイドを減量または中止したり、成長ホルモンを投与したりすることがあります。
監修:湘南鎌倉総合病院 腎移植・ロボット手術センター長 泌尿器科 統括部長 田邉一成先生