移植と海外旅行1回目は、時差と薬の服用時間についてお伝えしました。
第2回目の今回は 「海外旅行に出かける際の準備」 に関してお届けします。

海外旅行中は、時差や気候の違い、旅行によるストレスなどで、風邪や下痢のようなちょっとした病気になる事もよくあります。もちろん何事もなく帰国出来る事が一番良いのですが、旅行期間が長くなればなるほど、体調に影響が出る可能性は高くなりますので、前もってきちんと準備をし、安心して旅行に出かけましょう。

薬の準備

① 薬はパッケージのまま持参する
入国審査の際、内容の確認を求められるケースもあるため、薬はバラして詰めかえずに、元のパッケージのまま持参しましょう。

② 処方箋のコピー、翻訳文を持参する
薬剤の商品名及び薬剤名が記載された処方箋のコピー、翻訳文を持参しましょう。(持参数量を間違えたり、滞在が延びたり、盗難にあった等、万が一薬が足りなくなった場合に備えて準備しましょう。)

③ 何箇所かに分けて持参する
荷物の紛失や盗難に備えて、毎日服用している免疫抑制剤などの薬を何箇所かに分けて(スーツケース、機内持ち込み手荷物、同行者の手荷物など)持参するようにしましょう。
スーツケースに旅行日数+5~7日分入れるのはもちろんの事、機内持ち込み手荷物にも、旅行日数分の薬を持参するとよいでしょう。

英文診断書の準備

長期の旅行等で「万が一、旅行先で病院にかかる必要が出てきた場合に備えたい」という事であれば、主治医に英文診断書を作成して頂き持参するようにしましょう。英文診断書には、移植日やドナー、術後経過、免疫抑制剤を中心とした現在服用中の薬、その他注意点などを記載してもらいましょう。

海外旅行保険に入る

海外では、一般的に日本と比べて医療費が非常に高く、保険等で治療費用を支払い出来る証明が出来なければ、満足な治療が受けられない場合もあります。
海外旅行に行く際、海外旅行保険に入る方が多いかとは思いますが、慢性の病気に対する治療費(ex.慢性の腎臓病の治療を海外旅行中に受診する場合)は保険会社によってはカバーされない可能性もあります。事前に各保険会社に確認しましょう。

・例)AIU海外旅行保険(既往症・持病を保障特約付)
・その他)保険比較サイト
(既往症の治療も保障される海外旅行保険の取り扱いがあるかどうかは、各保険会社に直接お問合わせください)

在外公館の連絡先を控える

万が一、旅行先で体調が悪くなり緊急入院するような状況になった場合、海外旅行保険に入っている場合、ほとんどのケースで現地の保険相談窓口が日本語で対応をしてくれます。
また、保険会社以外にも、現地の在外公館も相談に応じてくれますので、渡航先の在外公館の連絡先を控えておきましょう。

・参考) 「政府広報オンライン」
・参考) 「外務省ホームページ 在外公館リスト」
・参考) 「外務省ホームページ 在外公館医務官情報」