トップページ  >  移植コラム  >  ドクターコラム  >  75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT):腎移植後の管理で重要な検査値解説【15】

後藤 憲彦先生 コラム

腎移植後の外来ではさまざまな検査が行われます。腎移植後に検査値をみる上で知っておくべきことや、移植内科医がどのようなポイントをみているのかについて、名古屋第二赤十字病院の後藤憲彦先生にシリーズで解説していただきます。
第15回目は75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)についてです。


①75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)とは

75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGGTT)とは、空腹時血糖値を測定後、75gのブドウ糖を摂取し、30分後、1時間後、2時間後にそれぞれ採血を行い、血糖値を測定します。糖尿病の診断には2時間後の血糖値と空腹時血糖値を用います。
75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間後の値が200㎎/dL以上になると、糖尿病の可能性があります。


②75g経口ブドウ糖負荷試験の基準範囲(*1)

正常域:140㎎/dL未満
境界域:140~200㎎/dL未満
糖尿病域:200㎎/dL以上

糖尿病


③腎移植後に75g経口ブドウ糖負荷試験をみる上でのポイント

75gOGTTは、糖尿病予備軍である境界型糖尿病になったレシピエントを見つけるのに、空腹時血糖より優れた検査です。耐糖能異常による微小血管障害(アルブミン尿や網膜症)は糖尿病発症で進行するのに対して、大血管障害は境界型糖尿病になった段階から進行します。腎移植レシピエントの死亡原因で感染症に次いで多いのは、心血管疾患(大血管障害)です。そのため、「糖尿病でないから良い」のではなく、「境界型糖尿病であるからいけない」との考えを持つことが大切です。
しかし、この検査は負荷試験であるので頻回に行うわけにはいきません。空腹時血糖が100~109mg/dLであれば75gOGTTを追加しても良いかもしれません。2時間値が140mg/dl未満であることを確認します。
術前に正常型であった腎移植レシピエントであっても、術後は免疫抑制薬により境界型糖尿病に傾きやすいです。しかし、免疫抑制薬はやめるわけにはいきません。そのため、術後は肥満にならないことが大切です。移植後の体重増加は、75gOGTTを正常型から境界型へと悪化させます。


*1 日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド2016-2017




腎移植後の管理で重要な検査値解説 掲載予定内容

【1】クレアチニン(CRE)

【2】eGFR

【3】尿酸(UA)

【4】尿潜血

【5】尿蛋白

【6】尿沈渣

【7】白血球数(WBC)

【8】カリウム(K)

【9】カルシウム(Ca)、リン(P)、副甲状腺ホルモン(PTH)

【10】中性脂肪(TG)

【11】LDL‐コレステロール(LDL‐C)、HDL‐コレステロール(HDL‐C)

【12】ヘモグロビン(Hb)

【13】空腹時血糖

【14】HbA1c

【15】75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)


お気に入り記事に登録

後藤 憲彦先生 過去のコラム

この記事を見た人が読んでいるのは