「腎移植前後の患者さんが抱く基本的な疑問」について、KDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcome(国際腎臓病予後改善機構)) が作成した国際腎臓病ガイドラインの視点から東京女子医科大学の田邉一成先生にご解説頂く"患者さんの疑問”解決 シリーズ。

第4回目の今回は『免疫抑制剤(シクロスポリンやタクロリムス)の血中濃度は、どのくらいの頻度で測ってもらうのが良いのでしょうか?』というご質問に対してご回答、ご解説頂きました。

【質問4】免疫抑制剤(シクロスポリンやタクロリムス)の血中濃度は、どのくらいの頻度で測ってもらうのが良いのでしょうか?

【回答・解説】
タクロリムスやシクロスポリンの血中濃度は測定すべきであるとされています。
すなわち、これらの免疫抑制剤は濃度によってその効果、副作用の出方がほぼ推定できるため、濃度測定により、より効果的にまたより安全に使用することが可能となります。
測定する頻度についてはいろいろと議論の多いところですが、移植直後は連日の測定、安定期であっても月1回の測定はしておいたほうがいいでしょう。
これらの薬剤は、他の薬剤、食べ物などにより血中濃度が変化することが知られておりますが、これらすべてを把握することは極めて困難です。このような場合、血中濃度を測定することにより内服量の調整が可能となり、安全な濃度に調整することができます。

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