移植後の楽しみ

移植後、ご主人に対して何か特別にイベントなどは行っていますか。

眞智子さん
特別なことはしていませんが、移植記念日には外食をしてお祝いをしています。

移植してから一番良かったこと、うれしかったことはどのようなことですか。

眞智子さん

眞智子さん
食事療法を行っていた頃は、タンパク質や塩分の制限をしながら、適正なエネルギー量を確保しなければなりませんでしたので、エネルギーをしっかり取るために、揚げ物などの油を使った料理を食べなければならず大変でした。また、カリウム制限があり、生野菜や果物も制限しなければなりませんでしたし、お魚やお肉を食べるとしても、ほんの少しの量しか食べられませんでしたので、「この量しか食べられないのであれば、食べない方がいい」とさえ思ったこともありました。
移植後は、そのような制限から解放され、美味しく食事ができるようになったことがとてもうれしかったです。

章悟さん
妻は、移植前は、毎食事毎にエネルギー量や塩分量を計算していました。また、いろいろな制限があり食べられる量もほんの少しでしたので、その目の前で私がたくさん食べるのを申し訳なく思っていました。
手術後は、それほど多くはないですが、私と同じものを、とても美味しそうに食べるようになったので、本当に良かったと思います。最近は外食をすることも多くなりました。

ご主人は手術の2週間後にゴルフコンペに参加されたそうですね。

章悟さん
退院1週間後に私が幹事をしているゴルフコンペがありました。私が普通にプレーしていたので、周りの方々がびっくりして、「大丈夫なの?」と言われましたね(笑)。

軟式野球は現在も続けていらっしゃるのですか。

章悟さん
現在は50歳以上のシニアチームでピッチャーをやっています。毎年4~10月までリーグ戦があるので、頻繁に練習や試合をしています。


野球の試合にて

移植後の日常生活で、特に気を付けていることはありますか。

眞智子さん
移植腎を圧迫しない洋服を着るようにしたり、転ばないように、ぶつからないように気を付けて歩いたりしています。
また、食生活に関しては、バランスの良い食事を取り、塩分を取り過ぎないように気を付け、水分補給も怠りなくするようにしています。

毎日の服薬や、血圧、体重等の管理はどのような方法で行っていますか。

眞智子さん
薬は1回の服用分毎に小袋に入れ、縦に曜日、横に朝、昼、夜と分かれているクリアポケットが付いたシートに入れて、壁に吊り下げて管理しています。毎週1週間分をセットして入れていますので、飲み忘れがありません。血圧・体重は1週間に2回測り、カレンダーに数値を書き込んでいます。

先生、移植後の自己管理については、どのような指導をしていらっしゃいますか。

荒木先生

荒木先生
外来の度に、血圧、体重を確認し、体重が増えている方には注意をしています。また、服薬の徹底を図る目的で、飲んでいる薬の名前と量を質問し、答えてもらうようにしています。自分がどのような薬を毎日どのくらい飲んでいるかをしっかり覚えてもらいたいと思って確認しているのですが、正確に答えられない方が2割くらいいらっしゃいます。外来の度に私に聞かれると思うと、覚えようとすると思いますので、毎回確認して、わざと緊張感を生み出すようにしています。

ご主人は腎提供後、どのようなことに気を付けて生活していますか。

章悟さん
お酒を少し控えるようにして、減塩を心がけています。
以前は2つあった腎臓が今は1つですので、スペアタイヤを積んでいない車と同じだと思って、パンクしないように、慎重に運転しようと思っています。

ドナー外来はどのくらいの頻度で受診していますか。

章悟さん
術後しばらくは半年に1回受診していました。現在は1年に1回受診しています。

移植後、新たに始めたことはありますか。

眞智子さん
主人と一緒にウォーキングを始めました。今は、ほぼ毎日のように30~40分歩いています。

章悟さん
妻はウォーキングを始めて間もない頃は、少し歩くだけでもしんどそうにしていましたが、最近は体力もついてきたようで、平気で長時間歩けるようになりました。

移植後はご夫婦でご旅行などもされていますか。

章悟さん
2人とも温泉が好きなので、日帰りでよく行っています。

眞智子さん
主人が退職した際には2人で北海道に旅行したのですが、今度は、まだ行ったことがない沖縄への旅をしたいです。

移植後の旅行