移植手術に向けて

移植手術が決まってから、実際の手術までの期間はどのくらいでしたか。また、その期間はどのように過ごされていましたか。

清水さん
ドナーになってくれる母の検査が終了して、半年後に手術を受けました。ただ、検査をしていた頃は末期腎不全で食欲がなく、体重も減ってしまいました。そこで、手術に耐えられるくらいの体力をつけるために血液透析治療が始まりました。血液透析導入後はご飯がおいしく感じられ、すごくたくさん食べられるようになり、体重も少しずつ増えましたね。

手術前に、移植の勉強は何かされましたか。

力石先生と清水さん

清水さん
特にしていません。手術が終わってから調べたことのほうが多くて、最近ようやくわかったこともあります。例えば、移植前はタンパク質などの食べ物の制限がありましたが、タンパク質を取り過ぎてしまった場合の症状や注意点が分からず、普通に食べてしまっていました。そのためクリスマスなどに肉類、魚類をたくさん食べてしまい、年末になるとすごく体調が悪くなり熱が出る、というのが3年くらい続いていました。移植後は同じように食べても具合が悪くならなかったので、その原因が最近ようやく分かったという感じです(笑)。

2つ目の誕生日

移植手術を終えた時の心境を教えてください。

清水さん
実際の手術時間はもっと長かったのですが、私には1時間くらいに感じられて、「もう終わったの?」という気がしました。本当に移植したのかどうかもわからなかったくらいだったのですが、「おしっこがいっぱい出ているよ」と言われて、隣に母もいて、傷の痛みが多少あったので、「ああ、終わったのだな」と実感しました。
ただ、隣に寝ていた母の体調がその時は悪かったので、手術が終わった直後は、「手術しない方がよかったのかな」と、一瞬後悔しました。

その後の経過はいかがでしたか。

清水さん
落ち着いてからは、母も私も2人とも順調でした。ただ私は、免疫抑制剤で合わない薬があり、白血球減少が起こってしまったため、1度だけ1週間ほど入院しました。

移植後の日常生活では、移植腎のために特にどのようなことに気を付けて生活をしていますか。

清水さん
食事や水分摂取には気を付けています。また、風邪を引かないようにこまめに手洗い、うがいをしています。薬は時間を決めて飲んでいます。

移植後、お母様に対しては何か特別にイベント等は行っていますか。

清水さん
母とは、「2つ目の誕生日が出来たね」と話しています。最初の1~2年はプレゼントをしましたが、それ以降は子どもが生まれて手がまわらなくなってしまい、できていません。ただ、その日になったら電話をして、「何年たったね」という話はします。今後は手紙だけでも送りたいと思っています。