移植後、出産へ

今野さんは移植後、本日も一緒に来てくれた、日葵(ひなた)くんを出産されていますが、移植後何年後に出産されたのですか?

今野さん
移植後、6年後に出産しました。

お子さんは以前から欲しかったのですか?

今野さん
透析に入る前から、子供は欲しいと思っていました。透析導入した時に、先生に、「子供は産めますか?」と聞いたところ、「透析をしていても産むことは出来ますよ」と言われたのですが、透析中は体力的に辛かったので産もうという気持ちになりませんでした。
移植後は普通の生活に戻ることが出来たので、「子供を産むことでまた腎臓が悪くなってしまうかもしれない」と思い、子供を作るという事に最初は躊躇してしまいました。
でも移植後年数が経つにつれて、子供を産める年齢にも制限がありますので、「子供が欲しい」という思いが強くなり挑戦してみようと思いました。

ひなたくん

子供を産みたいという事を先生に相談はされましたか?

今野さん
その時はセルセプトを飲んでいませんでしたので、特に先生に相談をすることもありませんでした。

その後は妊娠期間中も出産も特に問題はありませんでしたか?

今野さん
特に問題はありませんでした。妊娠期間中は医療事務の仕事もしていました。その後、市立札幌病院で出産をしました。

原田先生
今野さんは出産前の腎臓の状態も非常に良かったので、特に問題もなく妊娠、出産されたと思います。 当院で移植手術を受けられた方は大体当院で出産されており、これまでも12件11人の移植後の出産を経験しております。

向日葵(ひまわり)が運んでくれた幸せ

出産後、何か変わりましたか?

今野さん
母の気持ちが少し分かった気がします。この子が私と同じ状況になったら、やはり私の母が私にしてくれたことと同じように、私もこの子を助けると思います。

ひなたくん

出産後、今まで以上にお母様に感謝するようになったのではないでしょうか?

今野さん
母は近くに住んでおり、私と性格も似ているので、よく喧嘩してしまうのですが(笑)、誕生日やクリスマスなどのイベントはすべて母と一緒に過ごしています。日葵(ひなた)がとてもおばあちゃん子で、近くに住んでいますので、それが一番の親孝行になっていると思います。

日葵(ひなた)くんの名前にはどの様な思いがこもっているのでしょうか?

ひまわり

今野さん
明るく、まっすぐ育って欲しいという思いで名付けました。元々「葵」という漢字を付けることは決めており、「日」か「陽」の漢字のどちらを付けるかを母に相談し、母の好きな花が向日葵だという事もあり、「日」という漢字を付けることになりました。
今では、夏になると日葵(ひなた)は、「ひまわりは、ひな(自分)の花だよ」と言うようになりました(笑)。先日は母が日葵と一緒に、家の庭に小さい向日葵を植えていましたね。